エアコンのお掃除機能に7年頼った結果は? 初めて中を開けてみました

家事・家電

最近、当ブログを訪れる人の検索キーワード上位に「エアコン お掃除機能 必要か」といったものが入っています。
2018年7月10日現在、以下の記事がGoogle検索の1位に出てきます。

エアコンの「お掃除機能」は必要?不要?
今や当たり前の機能になった「エアコンのフィルターの自動清掃」。 あれば楽そうだと単純に思う一方、最近は「弊害ばかりで不要な機能だ」とのネガティブな評価も見受けます。 では、実際どうなのでしょうか? 私たちの結論は「ズボラな人にとっては、あっ

1位にランクしてもらった手前、もう少しエアコンについて勉強しなければいけないのではないか?

そう思って、我が家のエアコンの中身を覗いてみることにしました。

 

我が家のエアコンは全てフィルターのお掃除機能つきで、うち3台は購入後7年間、全くメンテナンスしていませんでした。
業者によるクリーニングはもちろん、フィルターの掃除も100%機械任せです。

開けてびっくり――だったと思いますか?
意外と平気でした
7年間放置はやりすぎですが、お掃除機能は期待どおりの働きをしていたと思います。

ただ、今後は反省して、1年に1回ぐらいは自力で掃除しようかなと思いました

1台目:寝室の中級機

まず1台目。リビングの隣の寝室に設置したエアコン、パナソニックのCS-EX229Aです。

2009年モデルで、お掃除機能つきとしては最安の部類に入ります。
ということはエアコン全体からすると「中の下」ぐらいのモデルかと思います。

居間のエアコンをつけていれば寝室もある程度は涼しく(暖かく)なるので、使用頻度は冷暖房とも低めで、冷暖房のシーズン中、1日平均30分程度の稼働でしょうか。

ただ、寝室なので埃は比較的多い環境です。

中身はどうなっている?

前面カバーを上げて中を見てみます。

この写真ではよく分かりませんが、フィルターはムラなく白っぽくなっています。
どの程度汚れているのかは、洗ってみないと分かりません。

フィルターの右下に見える黒い物体がお掃除メカです。
これが左右に動いてフィルターを掃除してくれているようです。

フィルター以外のところには大きい綿埃が付着していましたが、一面カビだらけ、といった様相ではありません。

取説を読みながら、外せるところを全部外していきます。

まずはエアフィルターです。
普通のエアコンより目が細かく、また「自動掃除機」をかけやすいよう、表面が平らになっています。

お掃除機能で清掃してもらえるのですが、普通のエアコンと同じく取り外して洗うこともできます

外したエアフィルターを風呂場に持ってきました。
大きな埃はありませんが、粉状の細かい埃がびっしり付着して、フィルターの向こうが見えません。

ただ、しつこい汚れではありませんでした。
表側からシャワーで水をかけると、簡単に埃は流れていきます。

歯ブラシなど使わずにあっさり掃除は終了です。

こんなふうに、フィルターの向こうがよく見えるようになりました。

前面カバーが外れる!

さて、エアフィルターを外したあとの本体はこんな感じです。

この画像、掃除をする前のものです。

7年間全く手を入れなかったのにフィンの汚れがこの程度というのは非常に優秀ではないでしょうか?
お掃除機能を前提とした目の細かいエアフィルターが奏功したものと思います。

一応、フィンの埃は歯ブラシなどを使って軽く落としましたが、お掃除機能があるために掃除がしにくい、とは感じませんでした。

左上にものすごい綿埃のようなものがあって驚きましたが、これは除菌フィルター。
台所のスポンジたわしを定規のような形状に切ったものです。

ちなみに、さらに右側には脱臭フィルターという段ボールみたいなものもあります。

双方を取り外して掃除機で吸った結果がこちら。

取説によると、10年経ったら取り替えましょう!だそうですが、各2000円強だそうです。
原価率何%なんでしょうかね。

 

ちょっと驚いたのですが、大きな前面カバーも外せるようにできています。

後述しますが、これは比較的廉価な機種だからこその特長といえそうです。
それほど汚れてはいないのですが、一番目立つパーツだけに、丸洗いできるのは嬉しいですね。

これ以上の分解は難しそうなのでやめ、元通りに組み立てて終了。

風量の違いは実感できるほどではありませんでしたが、少しはよくなったと思います。

補足:掃除された埃はどこへいく?

この機種では、お掃除機能が除去してくれた埃は、配管を通って室外に排出されるようです。
ですから特に手動のメンテナンスはいりません。

一方、最近買った三菱製の2台については、本体にダストボックスが内蔵されており、埃はそこに溜まっていくようです。
このような機種では、時々ダストボックスの埃を捨てる作業が必要になります。

ご自宅のエアコンがどちらのタイプなのかは、取説をご確認ください。

2台目:居間の上級機

1台目の成果に気を良くして、同日中にもう1台、清掃することにしました。

2台目は同じくパナソニックのCS-500CXR2。
16畳用で、お掃除機能はもちろん、センサーを搭載して人の居場所や間取りに応じた風向制御ができる、比較的高級なモデルです。

居間だけに、特に夏場は24時間つけっぱなしということが多く、存分に酷使しています

時々、茶色い水滴が床に落ちているので、内部は結構汚れているだろうと覚悟していますが、臭いはそこまで気にならないので、今まで何のメンテナンスもなく使ってきています。

正確にいえば、吹き出し口から手の入る範囲は除菌ウェットティシューで拭いたことがあります。

意を決して開けてみました。
が、状況は1台目とそれほど変わらずです。

 

次にエアフィルターを取り除いたところの写真です。
フィンについている埃は1台目より若干多いようです。

あと、冷房運転直後に開けたせいか、フィンが水滴で湿っていました。
歯ブラシで埃をとろうとすると、埃は下に落ちず、ブラシに絡まってきます。

 

エアフィルター清掃前。
不透明になっていますが、7年間でこれなら優秀では?

 

1台目より汚れが若干しつこい感はありましたが、シャワーを当てて優しくこするだけで、こんなにきれいになりました。

 

1台目については前面カバーを取り外せましたが、こちらの2台目は無理そうなので諦めました。

というのは、前面カバーにLEDランプが内蔵されているから。
絶対に本体へ電気配線が延びているはずですし、かりに取り外せても水洗いは危険です。

この点、1台目の前面カバーは文字どおり単なるカバーであり、取り外しが可能でした。

前面カバーにランプを内蔵したのは「上級機アピール」の意味もあるのでしょうが、清掃面ではマイナスです。

内部を掃除したいが…

フィルターはいいのですが、問題は内部。

風の吹き出し口から中を見ると、カビらしきものが見えるのです。
1台目にはこうした汚れは見えません。

 

ルーバーを取り外せれば少しは手を突っ込めるのですが、取説にはルーバーの取り外し方は載っていません。
しかし、試行錯誤の末、わりと簡単にルーバーを取り外すことができました

以下、自己責任でお願いします。比較的簡単ではありますが、取り外しの際に部品が欠けると致命的です。

まず外側の白いルーバーですが、左端に意味ありげな半透明の部品がついています。

この部品の右端にあるツメを持ち上げながら右へスライドすると、本体からルーバーが外れます。
1箇所外れれば、あとは連鎖的に外れます。

ただし再取付時には注意が必要です。
右端が+形のネジ状になっていて、正しい向きで差し込まないと奥まで入りません。

右端をきちんと本体に収めた後、左端を先ほどの逆順で取り付け、最後に真ん中のピンを若干力技で元に戻す、という手順になります。

その内側に灰色のルーバーがあるのですが、こちらは先ほどのようなギミックはなく、長いルーバーを撓らせて片側ずつ本体から引き抜くという方法で取り外せます。

 

これで内部に少し手が届くようになったので、歯ブラシの柄の先に雑巾を巻きつけ、少しずつ拭き取りました。

また、奥のほうに風を送り出すファンが見えるので、手で回転させながら歯ブラシで埃(あるいはカビ)を落としました。

この分だと配管内にもカビが結構ありそうで、見えるところだけ清掃しても大して状況は変わらなさそうですが、精神衛生上は若干改善されました。

なお、写真はありませんが、ルーバーにもカビが少し付着していました。
丸洗いできて大分すっきりしました。

 

組み立てて試運転。風量は多少増えた気がします。

ただ、中をほじくったので、しばらくの間、中からカビのようなものが出てきました。

反省点

反省点として、冷房運転を止めた直後に掃除したので内部が湿っていて、埃をとりきれなかったということがあります。

もし、思い立って掃除をするのであれば、冷房運転を停止してから相当の時間をおいてからやるのがいいと思います。

冷房シーズンの終了後、あるいは開始前に掃除するのがいいのでしょうね。

まとめ:お掃除機能、役に立ってます

以上、購入してから7年間放置していたエアコンを初めて掃除した記録でした。

さすがに、7年もするとお掃除機能でも取りきれない埃がエアフィルターに溜まっていました。
1年に1回ぐらいはエアフィルターを取り外して掃除するのがよいのだと思います。

ただ、7年放置しても目に見えて風量が減るということはなかったわけで、その点、お掃除機能は期待どおりの成果を出しているといえます。

お掃除機能つきのエアコンをすでにお持ちの方、何年かに一度は面倒を見てやってください。

あと、ダストボックスありの機種の方は、ゴミ捨てを忘れずに!

蛇足:「反・お掃除機能」の流れをどう見るか

蛇足ながら、エアコンの専門家でも業者の回し者でもない一消費者として、昨今ネット上を席巻する「お掃除機能ダメダメ説」について考察します。

元々、何をする機能なのか?

エアコンのお掃除機能は、エアフィルターに付着した埃をブラシ状のもので除去するというものです。

通常なら2週間に1回ぐらい掃除機で吸わないといけないところ、これを自動でやってくれるというわけです。
それ以上でもそれ以下でもありません。

清潔のためというよりは、フィルターの目詰まり防止(=風量低下防止=節電)のための機能だと私たちは理解しています。

「お掃除機能に任せっきりは危険! 内部がカビだらけ」といった記事をよく見かけますが、そもそも節電のための機能なのですから、「この機能では内部が清潔にはなりません」と書かれても、そりゃそうでしょうと思いますね。

ただ、エアコンメーカーがそのあたりをきちんと説明していないではないか!という批判はもっともだと思います。

比較実験はしたのか?

「お掃除機能」があると、むしろエアコン内部の汚れがひどくなる、という話もウェブ上で時々見かけます。

たとえば「お掃除機能がある」→「フィルターの目が細かい」→「何とかかんとか」→「カビの繁殖を促す」といった順に説明があれば、論法としては納得できます。

しかし、その真偽については、具体的な比較結果がなければ納得できません

私たちとしては、以下3つについてカビの発生状況を比較した結果がほしいのです。
そうでないと、フィルターのお掃除機能の評価はできないのではないでしょうか。

  • お掃除機能ありで、何もメンテナンスしない
  • お掃除機能なしで、フィルター掃除を含め何もメンテナンスしない
  • お掃除機能なしで、フィルター掃除はやるが他はメンテナンスしない

もし、上記のような比較結果があれば教えていただきたいと思います。

内部を乾かす機能も別にある(こともある)

「エアコンが、自分自身を自動できれいに保つ機能」は、フィルターのお掃除以外にも備わっている場合があります。

簡単にいえば、カビの原因になるエアコン内部の湿気を手早く除去する機能です。
機種によって方式に違いはあると思いますが、冷房運転終了時に乾いた空気を内部に送るなどしているようです。

この機能はフィルターの掃除のような専用のメカは不要なので、より多くの機種に備わっているのではないかと想像します。
我が家にある5台のエアコンにはすべて備わっています。

エアコン内部の汚れを語るならば、フィルター掃除機能もさることながら、この機能についても触れるべきではないかと思います。

両者を区別した上で、両方とも解説しているサイトは意外に少ないように思います。

結局、最後は広告ですか?

この記事を執筆する前に、エアコンのお掃除機能について否定的なサイトをいくつか見てみました。

結論としては、エアコンのお掃除機能に否定的なサイトの大半は、「エアコンクリーニング業者のサイト」もしくは「業者サイトに広告らしきリンクが張られているサイト」でした

何が言いたいか、これ以上は書かなくても十分でしょう。

そうしたサイトの内容を100%否定するわけではありません。
しかし、内容にバイアスがかかっていると考えて記事を読むのが自然ではないでしょうか。

 

ここまで書いておいて恐縮ですが、当サイトではGoogle AdSenseによる広告を掲載しており、エアコンのクリーニングに関心をお持ちである(とGoogleに判断された)方に対しては、クリーニング業者の広告が表示される場合があります。
私たちが意図的にクリーニング業者の広告を表示させているわけではないことはご理解ください。

クリーニングしたければ、クリーニングしてください

正直、私たちも、居間の1台については内部をクリーニングしてもらいたいと思います。
汚いことが分かりましたからね。

一方で寝室の1台については、7年経過していますが、数万円かけてクリーニングする必要を感じません。

結局、お掃除機能があろうとなかろうと、気になる症状があればクリーニングを頼めばいいわけです。

エアフィルターのお掃除機能があれば、クリーニング代は若干高くなります。
しかしその分、普段のメンテナンスをサボれているから、いいじゃないですか。

 

エアフィルターの掃除が面倒な人は、お掃除機能つきの機種を買う。
臭いが気になる人は、クリーニングを頼む。

今のところ、私たちはこういうシンプルな考えです。

子サイトはじめました!
本記事をお読みいただき、ありがとうございました。

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