ダイエーがイオン傘下に入ってしばらく経ちました。その変化を感じる点といえば、「トップバリュ」「ベストプライス」といったイオン系のPB商品が店頭に並んだこと、そしてもう1つがポイントカードです。
これまで、ダイエー系列では「ハートポイントカード」というのを有料で発行しており、買い物の金額に応じてポイントが貯まっていました。これが2016年に入ってイオン系列に切り替わり、新たに登場した「WAON POINTカード」に「WAON POINT」が貯まるということになったのです。
これで終われば話は早いのですが、実は今、ダイエー(に限らずイオン系列のお店)で買い物をすると、決済手段によって3種類のポイントのいずれかが貯まるという、非常に分かりにくい状況になっています。さらに、イオン系列の直営店とダイエー系列店では微妙にポイントの付き方も違います。
実際に利用するなどしてようやく理解しましたので、ここでご紹介したいと思います。
目次
イオン・ダイエーの店頭で貯まるポイントは3種類!
まず、イオン・ダイエーの店頭で貯まるポイントの種類についてご紹介します。決済手段により、以下のいずれかのポイントが貯まります。
- (電子マネー)WAONポイント
- WAON POINT
- ときめきポイント
――ということなんです。あまりに分かりにくいせいか、「WAONポイント」のほうはわざわざ「電子マネーWAONポイント」と呼ぶ場合があるようですが、焼け石に水。この違いを認識できている利用者はかなりの少数派でしょう。
一方「ときめきポイント」については、イオンカードでクレジット決済した場合に貯まるもので、名前を含めて前2者との違いは明確です。
なので、まずは「ポイント」と「POINT」の違いを細かく見ていきましょう。
赤=POINT、青=ポイント…ではない!
オットーの財布にかつて入っていたのは、赤紫の無料配布カード「WAON POINTカード」です(今はイオンカードセレクトで代替しています)。
一方、電子マネーWAONといえば、基本は水色を基調としたデザインですね。
(我が家には1枚もないので、画像はWikimedia Commonsからお借りしています)
赤のカードで貯まるのは「WAON POINT」。これは間違いありません。
しかし、青のカード(電子マネーWAON)で貯まるポイントは、会員登録の状況とお店によって違います。
- 会員登録が済んだ電子マネーWAONカードを、WAON POINT加盟店で利用すると、貯まるのは「WAON POINT」
- それ以外の場合に貯まるのは「電子マネーWAONポイント」
- ただし、ダイエーで貯まるのは常に「電子マネーWAONポイント」
「ポイント」と「POINT」、なぜ2つできた?
WAONは基本的に無記名で、利用すると電子マネーWAONポイントが貯まります。しかしイオンとしては、販促ツールとして使うために無記名WAONへの「記名」を促したいところ。また世の中では「Tポイント」「Ponta」といった「共通ポイント」が幅を利かせています。
そこで、イオングループ外への普及も見込んだ「WAON POINT」という新たな枠組みを作り、手持ちのWAONをWAON POINT制度に登録(記名)した人には、従来の「電子マネーWAONポイント」より多少割りのいい「WAON POINT」を与えるようにしたのではないかと考えられます(どう「割りがいい」かは次節で述べます)。
また、ポイントカードの無料発行で裾野を広げるために「WAON POINTカード」を新たに発行し、Pontaのごとく店頭で配布し始めたのだろうと思います。
電子マネーWAON、会員登録すると何がいいの?
会員登録しないと「ポイント」、会員登録すると「POINT」が貯まるという話をしましたが、じゃあ「POINT」のほうが価値があるのか?というとそうでもなく、両方とも1ポイント1円相当です。
イオンのお店でWAONを使うと、1回の買い物ごとに「200円=1ポイント」が貯まります。これは会員登録してもしなくても同じです(貯まるポイントの種類は違いますが)。
これに加え、会員登録したWAONであれば、1ヶ月の累計利用高に応じて「500円=1WAON POINT」が別途貯まります。ここが会員登録のメリットです。
ダイエーでWAONを使ったらどうなる?
この仕組みはダイエーにもあります。しかし前述のとおり、ダイエーで貯まるのは常に「電子マネーWAONポイント」です。1ヶ月の累計利用高に応じて別途貯まるポイントも「電子マネーWAONポイント」です。
翌月に付与される「WAONポイント」は受取操作が必要
ダイエーでの月間利用額に応じて500円=1Pで付与されるWAONポイントは、翌月半ば以降、ウェブサイト「暮らしのマネーサイト」から確認できます。
電子マネーWAONポイントのメニューから「照会・交換」を選び、画面上部のメニューから右端の「確認」を選択。
出てきたサブメニューから「預け入れポイント確認」を選択すると…
以下のような画面が出てきます。
「ダイエーキャンペーンポイント」というのが月間利用額に応じたポイントです。ちなみに、その下の「セレクト特典(オートチャージ)」は読んで字のごとく、月間のオートチャージ金額に応じたボーナスポイント。どちらも、期限までにWAONのICカードへダウンロードし、電子マネーとしてチャージしないと無効になってしまいます。
ちなみに、最下行の「WAON POINT(センター預)」は「電子マネーWAONポイント」ではなく「WAON POINT」です。POINTをポイントに交換することもできるので、このような情報が表示されるのでしょう。
WAON POINTは元々、カード自体にポイントを記録せず、全てセンターでポイントを預かっているようです。なので常に全額が「センター預」となります(と理解していますが、例外があったらごめんなさい)。
カードの「2枚出し」は必要?
ダイエーで貯まるポイントが3種類あるということは分かりました。では、複数のカードを持っている場合、それらカードを2枚出す必要はあるのでしょうか?
結論からいうと、通常は不要で、2枚出したからといってポイントを二重取りできることはありません。しかし1回の買い物で2種類のポイントが付与される場合があるので注意が必要です。
エコポイントはWAON POINT限定!
ダイエーの一部店舗では、レジ袋を辞退した場合に「エコポイント」として2ポイントを付与してくれます。
このエコポイントはWAON POINT限定なのです。WAON電子マネーで支払う、あるいはイオンカードで支払うときにも、エコポイント分だけはWAON POINTで付与されます。ですから、WAON POINTの貯まるカードを出さないと付与されません。
イオンカードは「WAON POINTカード」としても使える
では、イオンカード決済の場合、エコポイントをもらうためには別にWAON POINTカードを出さないといけないのでしょうか? 答えはNoです。「1枚2役」ということができるからです。
具体的には、イオンカードをお持ちの場合、これをWAON POINTカードとして使うことができます。事前に「smartWAON」というサイトへの登録が必要ですが、登録が済んでいれば「WAON POINTの貯まるカード」として利用することができるようになります。これならイオンカード1枚を出せばOK。買い物金額に応じたときめきポイントと、2円分のWAON POINTが貯まります。
気を付けるべきはWAON決済
ということで、気を付けるべきはWAON電子マネーで決済する場合です。
WAON一体型のイオンカードならいいのですが、WAON電子マネー単独カードの場合には、WAON POINTの貯まるカードを別に出さないとエコポイントをもらい損ねます。面倒ですが、WAON電子マネーを利用する際にエコポイントをもらいたい場合は、別途WAON POINTカードを提示することになります。
下記レシートは、オットーがダイエー系列店でWAON電子マネー決済したときのものです。カードとしてはWAON一体型の「イオンカードセレクト」1枚出し(2回スキャン)です。
画像真ん中の「今回のポイント」というのはWAON POINTで、エコポイントとして2ポイントが加算されています。
一方、画像下部は「電子マネーWAONポイント」を示しており、2503円の決済に対しWAONポイントが12ポイント付与されていることが分かります。
このWAONは「smartWAON」に登録済みですので、イオン系列店だと「WAONポイント」ではなく「WAON POINT」が貯まるところです。しかしダイエー系列店では、ご覧のように「WAONポイント」が貯まっています。
結局、この買い物を終えた時点でWAON POINTが42P、電子マネーWAONポイントが68Pとなりました。あぁややこしい…
「ポイント」と「POINT」、換金方法の違いは?
「ポイント」も「POINT」も、ポイントですから最後は現金の代わりに使うわけです。が、使い方がまた両者で違うのです。
まず、電子マネーWAONポイントですが、電子マネーというだけあってWAONカードにチャージすることができます。1ポイント=1円です。
一方のWAON POINTですが、赤の「WAON POINTカード」であれば、レジで1ポイント=1円として利用することができます。
ところが、青の「電子マネーWAON」に貯まったWAON POINTについてはレジで直接使うことができません。一旦、イオン銀行のATMなどで「電子マネーWAONポイント」へ交換し、これを電子マネーWAONにチャージする、という手順をふむことになります。
結局、どのポイントを貯めるのが有利?
以上でようやく「ポイント」と「POINT」の違いがお分かりいただけたと思いますが、残る1つの「ときめきポイント」も合わせ、ダイエーではどのポイントを貯めるのが有利なのでしょうか?
手短に結論だけ書きますが、通常日の還元率だけを見れば、「イオンカードセレクト」を入手してオートチャージ設定を行い、WAON決済をしてWAONポイントを貯めるのが最も有利です。買い物時に0.5%、オートチャージ時に0.5%、さらに1ヶ月分の買い物に対し0.2%が貯まり、還元率は1.2%になります。ちなみにクレジット決済の還元率は1%です。
イオンカードセレクトについては、いずれ別の記事にまとめますが、イオン系列のお店をフル活用する上では必須といえるカードです。年会費無料ですのでライトユーザーでも安心です。
ときめきポイントも捨てがたい
ただ、イオンカードセレクトを作ると、クレジットカード利用時に貯まる「ときめきポイント」も多少は貯まります。こちらの処遇を考えると、あえてクレジット払いにして、ときめきポイントを貯めることも考慮に値します。
たとえばクレジットカード利用明細の郵送を断り、ウェブ上でチェックするようにすると、初回に200ポイント、以後毎月10ポイント貯まります(ただし請求のある月のみ)。ほかにも「入会後数ヶ月間で何円以上クレジット決済すると何ポイントプレゼント」などのキャンペーンがあります。
しかし困ったことに、ときめきポイントを換金するためには最低1000ポイント貯めないといけないのです。ポイントの有効期限は「翌誕生月の末日まで」で、最短約1年。これはかなり高いハードルといえます。
ライトユーザーなら「換金を諦める」という選択肢もありますが、ポイントの有効期限までに1000ポイントを貯められるようなら、ダイエーでもWAON電子マネー決済ではなくクレジット決済にしたほうが、トータルでは有利になるかもしれません。
まとめ
ダイエー・イオンで貯まる3種類のポイントについてまとめてみました。理解するだけでも難しいのですが、結局自分はどうやってポイントを貯めればいいのか、それがまた難しく、万人向けの答えはありません。
ただ、一ついえるのは、電子マネーWAONを持っているなら会員登録をすべきです。これによって、月間の利用高に応じたボーナスポイントをもらえるようになります。