オットーは未だにガラケーを愛用しています。携帯電話の元々の目的である「通話」に関して、ガラケーはよくできています。それに何より、月々の電話代や電話機本体の代金など、トータルの費用が安く済むので助かります。詳しい事情は以下のページに書きました。
しかし、基本料金が安ければ通話料が高くなるというのが世の常。そこのところを解決し、ガラケーの最安プランでも、一般的な通話料の半額以下を実現する技をご紹介します。
目次
「通話料高止まり」のガラケーにも抜け道があった!
冒頭にも書きましたが、ガラケーは基本料金や本体価格といった「維持費」に関してはスマホより安い傾向があります。
しかし、基本料金が安ければ、往々にして通話料金は安くありません。最近の標準は30秒20円+税です。「5分以内なら何度でも通話料無料」などといったプランも見かけますが、基本料金が安ければそれもありません。
スマホユーザーの間ではLINEの無料通話を使うのが常識になっているようですが、LINEで幼稚園にはつながりません。また、スマホであれば「050plus」や「fusion ip-phone」のようなIP電話を利用でき、基本料金も通話料もかなり安いのですが、ガラケーでは使えません。
そんなガラケーユーザーにも逃げ道がありました! 月々の定額料金なしで、通話料が30秒10円と、一気に半額以下になってしまう技があるのです。
通話料半額以下になるのはコレ!
先に答えを書いてしまいますが、私たちが利用しているのは以下3つのサービスです。
- ブラステル
- G-Call
- 楽天でんわ
迂回すると電話料金が安くなる…?
この3つのサービスを一言で説明すると、「通話ルートを迂回することで安くする」というものです。
たとえばドコモ携帯からau携帯にかけたとします。通常は「ドコモ→au」というルートで電話がつながります。当たり前ですね。
ところが上記3つのサービス、たとえばブラステルを利用すると、「ドコモ→ブラステル→au」というルートで電話がつながります。わざわざ遠回りするわけです。
料金の決定権は誰にあるか?
「なぜ、迂回すれば安くなるのか」という部分について、公式な説明はあまり見かけません。しかし確かなことは、たとえばブラステルを経由する通話の場合、利用者はドコモではなくブラステルに通話料を支払います。言い換えれば、最終的な料金の決定権はドコモからブラステルに移ります。
ドコモは「基本料金の安いプランは、その分通話料を高くしよう」などと手加減しながら通話料金を決めています。しかし通話料金の決定権がブラステルに移ってしまえば、月々のドコモの基本料金が高いか安いかなんて関係なくなります。
当然、ブラステル経由でもドコモやauの取り分というのはあり、ブラステルからドコモやauには接続料金が支払われます。この部分がいくらなのかは一般の利用者には見えませんが、30秒10円に満たないことは明らかです。
LINEや050plusとは何が違う?
通話料が安いといえば、LINEの無料通話や050plusに代表されるスマホ向けの通話サービスがあります。しかしこれらは、今回紹介する3サービスとは実現方法が全く違います。
「通話」と「データ」の違い
ブラステル、G-Call、楽天でんわはいずれも「電話網」を利用したサービスであり、少なくとも携帯電話機を出てからドコモの交換機までの間は「通話」として扱われます。料金でいうと「○秒で×円」の世界です。
一方、LINEの無料通話や050plusなどは「データ通信網」を利用したサービスで、電話の音声を、画像やテキストと同じデータの一種として扱っています。「LINEの無料通話で相手の声が聞こえる」のは「YouTubeの動画で音が聞こえる」のと同じ仕組みなわけです。料金でいうと「○パケットで×円」あるいは「△MBで×円」の世界です。
050plusの場合、実際には「○秒で×円」という料金体系ですが、これは通話相手が電話網だからです。自分の電話機を出るところは「○パケットで×円」の世界です。
時間単位か、データ量単位か
「通話」は電話に特化したサービスであり、可能な限り音声を途切れさせないような仕組みになっています。通話中は通信設備を1回線分独占するので、「○分×円」のように時間単位で課金されます。
一方、最近一般的な「データ通信」は「何秒以内に通信完了します」「必ず毎秒何Mbpsで通信します」といった保証はなく、数秒間ダンマリのあと一気にデータが送られてくるといったことも日常茶飯事。そのかわり料金は安くなります。また時間に関係なく、やり取りしたデータ量で料金が決まってきます(パケット代というやつです)。
どれにする?全部使う?おすすめサービス3選
先に紹介した「ブラステル」「G-Call」「楽天でんわ」。オットーは3つとも利用していますが、利用頻度は「ブラステル>G-Call>楽天でんわ」となっています。
実はこの3サービス、1分あたりの通話料金はどれも20円と変わりません。細かいことを気にしないなら、どれか1つで事足ります。ただ、それぞれにメリット、デメリットがあり、その微妙な差も見逃すまいとすると、3つを使い分けるということになります。
以下、各サービスを順に見ていきます。
6秒2円で無駄がない! ブラステル
まず、オットーが一番利用しているのがブラステル。元々は在日ブラジル人のために国際電話用のプリペイドカードを売っていた会社ですが、サービスの一環として日本国内の格安通話サービスも始めました。
料金はプリペイド
このようなルーツのため、原則として料金は先払い、つまりプリペイドです。といっても紙やプラスチックのカードは必須ではありません。会員登録の上、クレジットカードなどで前もって「通話権」を購入し、その範囲内で通話できるという仕組みです。
使った分だけ料金が引かれ、月々の基本料金はありません。ただし、前払いした料金には有効期限があるので、「登録はしたけど、その存在を忘れてしまいそう」という人には向きません。
一旦登録してしまえば面倒な操作は必要なく、相手先の電話番号の前に「009120-20」と8桁加えてダイヤルするだけでブラステル経由となります。
たとえば「03-1234-5678」に通話する場合は「009120-20-03-1234-5678」と18桁を続けてダイヤルします。
短時間通話が激安! 6秒2円&消費税なし
ブラステルが優れているのは、料金体系が6秒2円(しかも消費税不課税!)となっていることです。
「30秒で10円だから他の2社と同じでしょ?」と思った方、違います。6秒で終わる通話は、他社なら10円かかりますが、ブラステルなら2円です!
実際には6秒以内の通話は珍しいでしょうが、それを言ったら30秒ぴったりという通話も珍しいわけで、小刻みに料金が上がっていくブラステルは、特に短時間の通話で節約効果が期待できます。少なくとも他の2社より高くつくことはありません。
通話前のアナウンスが邪魔
とはいえ、ブラステルにも弱点はいろいろあります。
まず1点目、通話前に音声が流れることです。
ダイヤルし終わると「80分ご利用できます。ブラステルをご利用いただきありがとうございます」といった音声が流れ、それからおもむろに相手先へ接続が始まります。音声が流れているのはたかだか5秒程度ですが、一刻を争うようなときにはイライラします。
発信者番号が通知されない、かも
次に2点目、相手に発信者番号が正確に通知されないことがあります。
公式サイトの解説によると、かけた人の電話番号が表示されず、代わりに「非通知設定」「通知不可能」「表示圏外」「+81から始まる電話番号」が表示されることがあるそうです。
かつては携帯宛でも固定宛でも上記のような現象が起きていましたが、2017年3月現在、ブラステルの公式サイトでは「携帯電話にかける際は正常に番号通知される」という説明になっています。
試しに、オットーのドコモ携帯からツマーのドコモ携帯へブラステル経由でかけてみたら、正常に発信者番号が通知されました。携帯電話宛はOKになったのかもしれません。
通話品質はイマイチ――その意外な理由は?
そして3点目、通話品質があまりよくありません。音声が時に途切れ途切れになるのは携帯電話なので致し方ない面もありますが、特に遅延が大きいようで、会話が微妙にかみ合わないことがよくあります。
その原因を暗に示しているのが、冒頭に説明した「消費税不課税」。なぜ消費税が課税されないのでしょう? 答えはズバリ、これが国際通話だからです。
ブラステルは「わざわざ迂回することで安くなるサービス」と説明しましたが、実は日本国内の相手にかける際に、外国を1往復しているようなのです!
プリペイドは面倒?
最後に4点目、プリペイド方式なので、時々チャージしなければならず、それが若干面倒です。
クレジットカードを登録しておくと自動でチャージしてくれるサービスもあるにはあるのですが、個人的にはちょっと不安があるので、残高が少なくなってきたときに2000円ずつ手動でチャージしています(最低500円からチャージできます)。
月極めプランもありますが…
ブラステルには「月額540円で30分通話可能」「月額999円で60分通話可能」というプラン「国内トークパック」があります。要するに「まとめ買い」すれば安くなるというわけです。
しかし、差額はそこまで大きくありません。ブラステルの通常料金で30分通話すると600円、60分だと1200円です。これがそれぞれ540円、999円になるというだけです。
月額999円のほうはそれなりに割安感がありますが、月額540円のほうは、「30分通話する権利を持て余すリスク」がありながら、使い切ってもわずか60円しか安くなりません。
まとめ:事務的な通話に最適
以上のように、ブラステルには弱点も多いのですが、短時間通話に強い「6秒2円」という料金がとにかく魅力的。事務的で手短な用件で固定電話にかける際には第一の選択肢となります。
携帯宛なら番号通知OK! G-Call
次にG-Callを紹介します。聞き慣れない名前ですが、この業界では比較的歴史の古い会社といえます。
通話料金は30秒10円(消費税不課税)で、電話のかけ方はブラステルとほとんど同じ。相手先番号の前につける番号が「0063」に変わるだけです。
ブラステルの弱点を「ほぼ」克服
G-Callがブラステルより優れているのは、「通話前に音声が流れない」「携帯電話には発信者番号が通知される」「通話品質がそこそこ」「後払い方式」と、ブラステルの弱点の裏返しとなります。後払いですが基本料金はありません。
ただ発信者番号について、惜しいのは「携帯電話→NTT固定電話」の場合に相手先に番号が通知されないという点。固定電話でも発信者番号をあてにしている場合がありますので、そういったところにかける場合には向きません。
また通話品質について、不課税という点から海外経由であることは間違いないのですが、ブラステルのように明らかな遅延は感じません。
課金は30秒単位
弱点としては、30秒10円という大ざっぱな課金方法、この1点に尽きます。10円ごとの課金は日本の電話では一般的ではあるものの、携帯電話で長話をすることは少なく、どうしても端数が気になってしまうんですよね。
というわけでオットーの場合、G-Callは、長電話になりそう(端数が気にならない)な場合、あるいは音質を重視する場合に限って利用しています。ブラステルだと、万一通話中にチャージが切れたら困りますからね。
固定電話でも番号通知できる! 楽天でんわ
最後に楽天でんわ。あの楽天が手がけるサービスだけに知名度は抜群ですね。楽天スーパーポイントも貯まるのでお得感があります。
通話料金は30秒10円(+消費税)で後払い、月々の基本料金はなし。相手先番号の前に「0037-68」をつけてダイヤルします。
番号通知できるが、消費税はかかる
上記2社と比べたとき、楽天でんわの最大のメリットは発信者番号通知。携帯宛でも固定電話宛でも、きちんと発信者番号が通知されます。
逆に言うとメリットはそれくらいで、強いて追加するならば、知名度が高くて若干安心という程度です。通話品質については、消費税課税なので海外を経由しないと思われ、海外経由に比べれば遅延を少なくできそうですが、実際に遅延が少ないとは限りません。実際に通話してみて、G-Callとの明確な違いを実感したことはありません。
そして楽天でんわのデメリットは料金。もちろん、正直にドコモに料金を払うよりはずっと安いのですが、ブラステルやG-Callと比較したとき、消費税8%分だけは確実に損をします。
楽天スーパーポイントがもらえますが、通常、還元率は1%そこそこなので、消費税分の穴埋めには足りません。
というわけで、私は楽天でんわをほとんど使っていません。固定電話宛で、かつ発信者番号通知が必要な場合に限って利用しています。
まとめ
携帯電話からの通話料金を劇的に安くする3つのサービスを紹介しました。
細かな違いはありますが、現在「30秒20円+税」で通話している人にしてみれば、3つのうちどれを利用しても料金は確実に半額以下になります。まずは上記のうちから一つ選んで利用してみてはいかがでしょうか。