東京のタクシーも実質迎車無料!? 「フルクル」速攻レビュー

タクシー

プレスリリース後にちょっとした話題になったのが、東京のタクシーを迎車料金無料で呼べるアプリ、国際自動車(kmタクシー)の「フルクル」です。

2017年11月12日、ついにサービスが開始しました。さっそくアプリをインストールし、実際の乗車には至っていませんが、使い勝手を検証してみました。

「看板に偽りあり」ですが、「実質迎車無料」は言い過ぎな感があります。あくまで、道端で手を挙げて空車を拾うのを補助するアプリと考えたほうがよいでしょう。
ただ、特に都心では非常に使い勝手のよいアプリで、お手持ちのスマートフォンに入れておいて損はないと思います。

フルクルの機能は?

「フルクル」とは、東京23区・武蔵野市・三鷹市を営業区域とする国際自動車グループ(kmタクシー)が配布している、タクシーを呼ぶためのスマートフォン向けアプリです。
スマートフォンを「振る」とタクシーが「来る」というところから命名されています。

その名のとおり、アプリを起動してスマートフォンを振ると、半径500m以内にいるkmタクシーの空車に乗車の意思が伝わります。タクシーからすると「あそこにお客さんがいる」ということが分かるわけです。

「あそこにお客さんがいるなら、乗せようかな」と思ったドライバーは、お客さんの待つ場所へ向かいます。

2分以内に空車が150m以内まで近付くとアプリに通知が届き、さらに「タクシーを呼び止める」ボタンを押すとアプリの画面が点滅するそうです(実際に試していません)。
手を挙げる、もしくは点滅画面をタクシーに向かって示すことでタクシーが停まり、以後は普通に(そこで手を挙げていたらタクシーが停まったという扱いで)乗車します。料金も普通にタクシーを拾った場合と同じです。

2分待っても空車が来ない場合には「迎車失敗」となります。それでもタクシーを呼びたければ再チャレンジです。

「ゆるい」使い勝手が便利!

国際自動車では、このアプリについて「乗車契約」ではなく、ドライバーと乗客の「マッチング」を行うものだと説明しています。また、随所に「ゆるい」という言葉が出てきます。
これは、通常の迎車との違いを分かりやすく表現したものといえます。

通常の迎車の場合、電話やアプリで乗車の意思を伝え、それに呼応してタクシーが手配されると、その時点で乗車契約が成立します。
配車されたタクシーは、その時点から「迎車」というサインを出して、その人のために走り出します。道端で誰かが手を挙げていても対応しません。確実に、タクシーを呼んだ人のもとへ向かいます。
この確実性の代償として、乗客は通常の運賃とは別に迎車料金を支払います(地域によっては無料というところもありますが)。

一方フルクルの場合、アプリで乗車の意思を伝えるところは同じですが、その人のもとへ空車のタクシーが向かうことは確約されません
確かに、乗車の意思は周辺のドライバーに伝わります。が、誰かが気付いてその人のもとへ向かったとしても、サインは「空車」のままで(推測)、途中で別の人に呼び止められたらそちらに対応しなくてはなりません。
その代わり、乗客は迎車料金を支払う必要がありません。また、呼んだ車を待っている間に別の空車が通りかかった場合、そちらに乗っても構わない(アプリを閉じればキャンセル扱いになる)というルールです。

以前の記事にも書きましたが、通常の迎車にはいくつか不満があります。すぐ近くに空車がいても、それを呼べば410円の迎車料金が発生すること(東京23区の一部の会社の場合)、呼んだ車が来る前に別の空車が通りかかってもキャンセルが難しいことなどです。
これがフルクルであれば、タクシーを呼んでも迎車料金は発生せず、しかも先に来た別の空車に乗ってもお咎めなし、ときています。今までの不満を見事に解消しています。

過信は禁物です

ただ、フルクルを「キャンセル自由な無料迎車アプリ」と考えるのは期待のしすぎです。昼間の都心部ならともかく、郊外の住宅地や悪天候時など、近くに空車の少ないときには無力です

まず、フルクルで呼べる(乗車の意思を伝えられる)のは、現在地から半径500m以内となっています。駅近くやオフィス街ならともかく、住宅地だと、この範囲内に空車が1台もいないということも珍しくないでしょう。

次に、空車が近くにいたとしても、こちらに向かってくるまでの間に「横取り」される可能性があります。急に雨が降ってきたときなど、皆で空車を奪い合うような状況だと厳しいでしょう。

さらに、「外は暑いから、部屋の中からアプリでタクシーを呼んで、到着したら乗り込む」という使い方もやや困難です。タクシーが近付いてきたら、アプリ画面を振って空車を停める必要があるからです。少なくとも空車が通りがかる時点では、あらかじめ外に出ておかなければいけません。

こうしたことを考えると、フルクルはやはり迎車アプリではなく、「路上で空車を待っている自分の存在を、近くのタクシーに知らせる」というアプリだと理解したほうがよいでしょう。

アプリは登録不要、通常迎車アプリとの連携も

さて、能書きはこのへんにして、実際にアプリをインストールしてみましたので、使用感を簡単にまとめておきます。

インストールは簡単で、個人情報の登録は不要です。このあたりも「ゆるい」仕様であり、普段あまりタクシーに乗らない人にもハードルが低いといえます。困ったとき、その場でインストールするという使い方もアリです。

アプリを起動すると、現在地周辺にいる空車が地図上にプロットされます。昼間の都心だとかなりの台数が表示され、どれかは来てくれるだろうという気になります。

ここから先は、タクシーに乗る用事がないので試していないのですが、右上に「km」マークがあり、ここをタップするとkmタクシーの迎車アプリが立ち上がります。
こちらのアプリは、乗車契約を行うものですから個人情報の登録が必要で、SMSによる認証も行う必要があります。

まとめ:「来そうで来ない」ときに期待大

以上、2017年11月にサービスを開始した「フルクル」のご紹介でした。

個人的には、後発ながらよく考えられたシステムだと思いました。
何より、「空車が通るのを待つ」と「迎車する」の間を埋めるというのが素晴らしい発想です。迎車料金を払うほどでもない状況だが、意外に空車が通りかからないといったことは都心でもしばしばあり、こんなときには第一の選択肢になりそうです。

また、同時期に通常の迎車もアプリでできるようになっており、「フルクルでダメだったから通常迎車で」と考える人も多いことと思います。

日本交通系列の「JapanTaxi」アプリを月10回程度利用し、しばしばゴールドユーザーになっている私たちですが、特に都心部では、これからkmタクシーの利用が増えるかもしれないなと思いました。それほどインパクトのある内容です。

こうしたアプリが起爆剤となって、タクシー業界が元気になってくれれば、回り回って利用者にも還元があると思います。競合他社の奮起を期待したいと思います。

子サイトはじめました!
本記事をお読みいただき、ありがとうございました。

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