我が家ではパナソニックのビルトイン食洗機が大活躍しています。
しかし、しばらく前から、庫内や洗い上がった食器に赤い汚れが付着するようになりました。
ネジを外さない範囲での分解清掃も行いましたが効果はなく、諦めかけていたのですが、食洗器の洗剤を替えたところ、見事に解消しました!
ただ、単に洗剤を替えるだけでは効果がありません。
通常の2~3倍量の洗剤を入れて運転することで、赤い汚れを一掃することができました。
推定原因や注意点なども含め、事の一部始終をお伝えします。
唐辛子か?と思ったら…
我が家の食洗機は設置から10年を超えました。
最初の2年ほどは眠っていましたが、それでも約8年間、1日平均2回以上運転しています。
今まで主要部分に故障はなく、部品交換や分解清掃もしていないのですが、それだけに経年劣化も起きているのだと思います。
そんな中、洗い上がった食器に、赤い粒のような汚れを発見しました。
最初は、唐辛子の粒じゃないかと思って気にも留めなかったのですが、次第に出現頻度が高くなってきました。
あれ? 毎食、唐辛子は食べていないよな…
ふと赤い汚れをこすってみると、油が含まれているのか、汚れが皿にべったりと伸びてしまいました。
よく見ると、色も唐辛子の朱色っぽい赤ではなく、赤ワインのような紫がかった色です。
ああー、これは唐辛子じゃない! カビか何かだ!
調べたところ、酵母系の汚れだろうと思われました。
庫内に溜まるように
なすすべもなく、そのまま使い続けていると、赤い汚れはどんどん増えていきました。
陶磁器だと汚れは付着しにくい(最終的にお湯で流れる)のですが、プラスチックは一度付着するととれにくいようで、白い弁当箱の仕切りには毎回のように付着していました。
どこに汚れがあるのか?と食洗機の中をつぶさに観察してみると、排水口やヒーターの周囲にかなりの量の「赤い汚れ」が付着していました。
洗剤液の水位よりわずかに高いところに汚れが集中するようです。
付着した汚れは、食器用洗剤を歯ブラシにつけてこすると簡単に落ちます。
が、2~3回運転すると元通りです。
どこかに「巣窟」があるに違いない!と、庫内をくまなく探したところ、排気口のようなところにたくさん溜まっていました。
排気口のカバーを取り外した結果がこちら(手で簡単に外せます)。
この写真はまだ汚れが少ないときのもので、ひどいときは灰色の部分が見えないほどの量がこびりついていました。
この部品もこまめに掃除をするようにしたのですが、数日で元通りになってしまいます。
以上のことから推測できるのは、次のようなメカニズムです。
- 赤い汚れは日々増えている
- 庫内(食器を入れる部分)ではないところに汚れの根源がある
この状況を打破するには、分解清掃が一番です。
しかし、以前にちょっと分解したところでは、水の流れる部分を一つずつ外して清掃するのはかなり難しそうな印象でした。
分解せずに赤い汚れを一掃するには?
そうすると、次善の策としては「強力な洗剤で汚れを洗い流す」という方法が思いつきます。
方法1:食洗機の洗剤を替える
まず考えたのは「食洗機の洗剤がダメなのでは?」ということでした。
汚れが出始めた当時、私が使っていた洗剤は「チャーミークリスタジェル」でした。
食器の汚れを落とすという点に関しては結構優秀で、特に不満がなかったので、食洗器というものを使い始めた当初から愛用していたものです。
いや、今も愛用しています。
しかし、食洗器自体の汚れを落とすという点に関しては若干の不満が残ります。
液性が中性ということも影響しているかもしれません。
別のページでご紹介したとおり、庫内汚れの対策として「ピクス 食器洗い機用洗剤」を新たに使うようになりました。
ピクスで洗うようになってから、上記ページに書いた「排水口の奥に見える、スライムのような汚れ」は見える範囲からはすっきり消え去りました。
しかし、赤い汚れは消えないのです。
方法2:食洗機クリーナーを使う
食洗機自体の汚れを落としたいのですから、食器洗い洗剤ではなく、食洗器自体のクリーナーを使うべきでは?と考えるのが自然です。
ところが、これも(試した範囲では)ダメでした。
小林製薬の「食器洗い機洗浄中」を使ったのですが、赤い汚れは落ちません。
前掲の別記事でも考察しましたが、食器洗い機のクリーナーには酸性のものが多いようです。
これは、食洗機の汚れとして水垢(カルキ)を想定しているからだと思われます。
「食洗機の清掃」で検索すると「クエン酸が最強」みたいな記事がよくヒットしますが、これも水垢を念頭においた手法です。
一方、今回問題にしている赤い汚れは明らかに油を含んでおり、酸性の汚れだと思われます。
酸性の汚れに対してはアルカリ性の洗剤が有効であり、酸性の食洗機クリーナーやクエン酸はそれほど効かないのではないかと、素人考えですが思うわけです。
方法3:塩素系漂白剤を使う
アルカリ性で汚れ落ちが強力といえば、塩素系漂白剤が思い浮かびます。
ドラッグストアで100円以下で売っていて、まな板などの漂白に使うアレです。
液性はアルカリ性であり、強力なのは間違いありませんが、 強力なだけに「どの程度の濃度で使えばいいのか?」というのが怖いところです。
特に、食洗機の金属部分への影響が心配になります。
Webで少し調べましたが「これが適量!」といった記事も見当たらず、ひとまずキャップ3杯分を入れて運転してみましたが、赤い汚れはなくなりませんでした。
今にして思うと、塩素系漂白剤は確かにアルカリ性ではありますが、油分への対策、すなわち界面活性剤のような成分がないため、汚れが落ちなかったのではないでしょうか。
方法4:アルカリ性の食洗機洗剤をしこたま入れる
万策尽きたかに思われたのですが、ある時ふと思いました。
洗剤の濃度を高くしたらどうなるのだろう?と。
最近愛用している「ピクス」の場合、汚れがひどくても付属のスプーンに1杯弱、というのが通常の使用量です。
たとえば、倍ぐらいの量を入れて運転したらどうなるでしょうか?
試しに、食器を入れず、スプーンにすりきり2杯(標準使用量の3倍弱)の洗剤を投入して運転してみました。
結果は驚くべきものでした。
庫内に、おびただしい量の赤い汚れが付着していました!
写真を撮り損ねたのが残念です。
これすなわち、見えないところに付着していた赤い汚れが一気に落とされたということ。
溜まっていた汚れが落ちれば、汚れの増殖も遅くなり、うまくいけば根絶することもできるかもしれません。
庫内の汚れを一旦きれいにしてから、調子に乗って、今度はすりきり3杯の洗剤を投入して再運転。
すると、洗剤を入れ過ぎたせいか異常に泡立ってしまい、運転中に排水を繰り返す事態となりました。
泡立ったのは、庫内の汚れを落とす際に(食洗機用でない)食器洗い洗剤を使ったせいかもしれませんが、3杯はやりすぎだったと思います。
また、3杯入れたからといって、赤い汚れがさらに出てきたかというとNoでした。
おそらく、2杯入れれば汚れは十分に落とせるということだと思います。
試しに「すりきり2杯投入」をさらに何度かやってみましたが、以後は赤い汚れが出てくることはありませんでした。
その後、洗剤の量を通常に戻しましたが、赤い汚れはほぼなくなりました。
赤い汚れの溜まりやすい部位も、全くといってよいほど汚れていません。
さらに1週間ほどして、少量の赤い汚れを発見しました。
そこでまた「すりきり2杯作戦」を実行したところ、ごく細かい赤い汚れ(おそらく、まだ成長しきっていない状態のもの)がそれなりに出てきました。
根絶は難しいものの、適時「すりきり2杯」を実行することで、赤い汚れの発生をコントロールできるのではないかと思います。
洗剤の濃度が落ちていた?
この「赤い汚れ」問題を調べている過程で、「食洗機の部品が劣化しているために、赤い汚れが出る」という情報を得ました。
曰く、ポンプが傷むと意図しない排水(漏水?)があり、水位が下がると自動で給水するものの、洗剤は補充されないので洗剤の濃度が下がり、汚れ落ちが悪くなる。よって食洗機本体も汚れてくる、と。
もしそうだとすれば、「買った当初はこんな汚れはなかったのに…」という疑問に対する説明もつきます。
ただ、我が家の食洗機の音を何となく聞いている限り、洗っている途中に追加で給水している様子はありません。
いずれにせよ、食洗機自体の汚れを落とすという観点では、洗剤のパッケージに記載されている分量では濃度が不十分だった、ということはいえると思います。
今にして思えば、以前から使用していた「クリスタジェル」でも、使用量を増やす(濃度を上げる)ことで、赤い汚れを軽減することはできたのかもしれません。
我が家ではもう実験できないので、赤い汚れが気になっている方、普段の倍量ぐらいで試してみてください。
まとめ:時々は濃度を上げて。でも常時はダメ?
以上、食洗機の赤い汚れと闘った記録でした。
いろいろ試したのに、結局は「いつもの洗剤を多めに入れる」という単純な解決策に落ち着き、やや拍子抜けではありました。
洗剤の消費量が倍になるのを気にしなければ、常に倍量の洗剤を使うことで、食洗機の内部を清潔に保つことができそうです。
ただ、 食器の汚れ自体は所定の使用量で十分落ちていますので、それより多く洗剤を入れることは資源の無駄です。
また「ピクス」には漂白剤も含まれており、多めに入れると柄物の食器の色落ち度合いもひどくなります。
事実、すりきり2杯で弁当箱を洗ったところ、外側にプリントされていたイラストが明らかに色落ちしました。
さらに、必要以上に高濃度の洗剤を使い続けることで、食洗機の劣化が早まる、洗剤が庫内に残って雑菌の餌になる等、副作用も否定できません。
なので、赤い汚れを見つけ次第、高濃度で運転する(その際、色落ちの心配な食器は入れない)というのが、当面の私の方針です。
もし、赤い汚れを金輪際見たくないという方も、毎回高濃度にするのではなく、たとえば1週間に1回程度に抑えるのが無難ではないでしょうか。
コメント