2017年初頭からメディアを賑わせた「物流危機」問題。ヤマト運輸が悲鳴を上げ、その主因はamazonを筆頭とする通販業者であるといった報道でした。
そのamazonは、ヤマト運輸への依存を減らすべく、別の配送方法の導入を進めつつある、と報じられていました。
そして2017年8月、ついに我が家への配送が「脱・ヤマト」してしまいました。配送業者が「デリバリープロバイダ」に変わったのです。
記念すべき1個目の荷物は何とか無事に受け取れましたが、ヤマト運輸に慣れきった私たちには辛い将来が待っていそうな予感です。
私服のお父さんがインターホンに→amazonでした
去る日曜日、オットーが珍しく真面目に昼食を作っていたら、ムスコーが「ピンポン来たよ」と教えてくれました。
確かにインターホンのモニターに人影が映っています。宅配便の類だとは思いましたが、どうも制服を着ていないようす。しかも後ろに映っている車が明らかに自家用車です。
かなり身構えながら応答すると「お荷物です」とのこと。
これ、宅配便を装った「何か」なんじゃないの?とさらに身構え、相手の戦意を喪失させるため下着姿で外に出ました(意味不明)。
外で待っていたのはポロシャツ姿の男性。休みの日のお父さんという感じですが、手にはamazonの段ボールを持っています。あっ、そういえば定期おトク便の発送メールが来ていたんだった、と思い出しました。
ヤマト運輸の宅急便だと大体は見知ったドライバーさん3人が交代で来るのですが、忙しい時期にはヤマトのロゴが入っていない軽トラックで知らない人が荷物を持ってくることもあります。その類なのかな、と思って荷物を受け取りました。
しかし通常、宅急便でamazonの荷物が届く場合には、事前にヤマト運輸から通知が来ます。「Myカレンダーサービス」という、自動で配達時間を指定するサービスにより、通常は夜間の配達になるはずです。
今回はそれがなかったので不審に思い、「まさか…」と配送履歴を確認すると、その「まさか」でした。今日の荷物は宅急便ではなかったのです。
話題の「デリバリープロバイダ」とは?
今回、荷物を持ってきてくれたのは「デリバリープロバイダ」だそうです。
そのまま日本語に訳すと「配送業者」といった意味かと思います。何の説明にもなっていませんね。
地域限定の配送業者です
Amazonのヘルプによると、デリバリープロバイダとは「Amazon.co.jpと提携している地域限定の配送業者の総称」だそうです。
要するに、ヤマト、佐川、日本郵便といった有名どころではない配送業者だということです。
ヘルプによると、デリバリープロバイダには6社があることになっています。ウェブ上の情報によると、実際にはこの6社の下に下請け業者が多数いて、そのうちのどこかの業者が配達を担当しているということのようです。
先ほど来た男性も、軽トラックですらない、自家用のワンボックスカーで配達をしているようでしたので、副業的に土日限定で配送を請け負っているのかな、などと想像します。
開始当初、悪評が立っていた
オットーがこの「デリバリープロバイダ」について初めて知ったのはウェブ上の記事を読んだときでした。
何でも、荷物が予定どおり届かないとか、ずっと在宅にしていたのに不在のため持ち帰ったことになっていたとか、真夜中に荷物が来たとか。
一方、配達する側もマンパワーが追い付かず、とにかく混乱しているといった状況がその記事には描かれていました。
今回、そこまでの混乱は感じられず、むしろ日曜日の昼間に淡々と荷物を受け取ることができたのですが、あとでamazonのサイトを見ると配達予定日は月曜日(翌日)となっており、何となくアバウトな感じは伝わってきます。
便利機能はある「ことになっている」が…
Amazonでは、荷物の配達日時指定は有料となっています(プライム会員なら無料)。
ただ実際には、ヤマト運輸の「クロネコメンバーズ」に加入しておくと、配達を請け負うヤマト運輸が事前にメールを送ってきてくれ、そのメールに応答することで配達日時の指定ができました。
なので、わざわざ有料で日時指定しようと思ったことはありませんでした。
しかし今回、配達がデリバリープロバイダになったことで、「無料では配達日時を指定できない世界」に逆戻りしてしまったのです。
ひっそりとあった「日時指定ページ」
参ったなーと思いながらamazonのヘルプを見ていたら、「追跡サイト」「再配達・配達前の日時変更」というリンクが用意されているのを発見しました!
この書き方からすると、デリバリープロバイダのうち「ファイズ」以外が配達する場合、荷物が配達される前にあらかじめ配達日時を指定できるようです。
また、今回は再配達なしで受け取ることができましたが、不幸にも再配達となってしまった場合にも、ウェブ上で申し込みができるようです。
本当に機能するかは別問題
ただ個人的には、上記のページの内容は、額面どおり受け取れない気がしています。以下、偏見も入っていますがご容赦ください。
個々の荷物に対して配達日時を指定すること、それ自体は特に難しくないと思います。
が、ドライバーの数が限られている中で、配達日時指定のある多数の荷物をすべて希望どおりの時刻に届けるためには、最適な荷物の割り振り、最適な配送ルートの選択といった戦略が必要になってきます。
問題の規模からいって、それを立案するのはコンピュータということになるでしょうが、そこまでのシステムが「デリバリープロバイダ」に備わっているかというと、ちょっと疑問です。
また、ドライバー一人ひとりまでガバナンスが効いているか、という点も結構重要になってくると思いますが、下請けが主ということであれば、これもなかなか難しいのではないかと想像します。
ということで、システム上はいろいろ指定できることになっていますが、そのとおりに荷物が届くかどうかは、実際に使ってみないと分からないと考えています。
前述のとおり、デリバリープロバイダに関しては、少なくとも一時期「混乱していた」という情報がありました。
Amazonとしては必達事項である「当日お届け」すら100%達成が怪しそうだという中、無料で実施している配達日時指定サービスまで手が回るのだろか?と思うわけです。
終わりに:ヤマトの安心感は偉大だった
というわけで、amazonの配送が「デリバリープロバイダ」に代わってしまった、という一件でした。
今のところ実害はありませんが、これはたまたま日曜日の午前中、家族全員が在宅だったから。再配達や時間指定配達を行ったときに期待どおりの結果が得られるのか、大いに心配です。
我が家では通販をよく利用しており、ヤマト、佐川、日本郵便の3社はドライバーさんの顔と名前が一致するぐらいの関係になっています。
この3社を比べたとき、どこが一番サービスがいいか?と問われると、やはりヤマト運輸なのです。どの会社も皆さん頑張って配達してくれているのですが、トータルで比較評価したとき、安心感というか信頼感というか、目に見えない部分でヤマト運輸が頭一つ抜きん出ているように思うのです。
この高品質を、名目送料無料で当然のように享受できていた今までのamazonが恵まれすぎていた、というべきなのでしょう。
ともあれ、デリバリープロバイダも「荷物を届ける」という使命を持った仕事ですから、良い意味で予想を覆すような仕事ぶりを期待したいと思います。
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