我が家では東京23区のタクシーを自家用車代わりに利用しています。
台数が多いだけにドライバーもさまざまで、これはハイヤーか!と思うような素晴らしい人がいる一方、全員が車酔いを起こすようなスバラシイ運転の人まで、玉石混交といった様相を呈しています。
しかし、稀に23区外のタクシーに乗ると、「そうはいっても23区のタクシーは安定しているな」と思うことがよくあります。
自称・タクシー評論家となりつつある私たちが、旅先で体験したタクシー事情を語ります。
地元の方からすれば「そんなの当たり前じゃん」ということばかりなのでしょうが、東京在住の方には、多少は参考になるのではないかと思います。
第1弾は静岡県下田市です。
1乗車目:伊豆急下田駅→ホテル
2018年の夏休み、金曜日から日曜日までの2泊3日で家族旅行に出かけました。
伊豆急下田駅に着いたのはお昼ごろ。ホテルの無料送迎バスはしばらく来ないので、タクシーでホテルまで向かうことにしました。距離にして6kmほどです。
小型と中型がある!
駅前に出ると、タクシー乗り場が2つあります。小型車乗り場と中型車乗り場です。
地域によっては、このように車の大きさを選べる場合があります。
両者の大きな違いは、小型車は4人乗りなのに対し、中型車は5人乗りという点。
この「5人乗り」というのは「客が5人乗れる」という意味です。
ふつうのセダンに、どうやって客が5人乗るの?と思った方もいると思いますが、前に2人(運転手を合わせて3人)、後ろに3人乗るのです。
前に客が2人乗れるよう、通常ならシフトレバーなどがある場所が平らになっています(ベンチシート)。狭いのですが、客が2人並んで座れます。
オットーは地方出身なので、前列がベンチシートになっているタクシーは見慣れているのですが、ツマーは東京育ちなので知りませんでした。
実際問題、5人で移動したいから中型が必須!という人は多くないので、大抵は料金の安い小型のほうが人気です。
この日の下田駅前もまさにそんな状況で、小型の乗り場にはタクシー待ちが3組ほど。対して中型乗り場には空車が1台停まっていました。
紫外線アレルギーのツマーがいるので、迷わず中型に乗り込…もうとしたら、ドライバーが乗ってない!
これがホントの「空車」ってか!
無線の音が懐かしい
1、2分して、ラフな格好の運転手さんが戻ってきました。トイレにでも行ってたんですかね。
ホテル名を告げると、さすがに知らないとは言われず、すぐにスタート。
海沿いの道を淡々と走ります。
メーターは、東京ではまず見かけない古い型のもの。
道中、運転席の無線機から会話が聞こえてきます。
タクシー無線に耳を傾けるのは、幼少のころ、祖父母の家に遊びに行ったとき以来のような気がします。
というのも、最近、東京のタクシーではほとんど無線の声を聞けないのです。
どうも、実車の時は自動的に無線機のスピーカーをオフにする機能があるようなのです。
しかし地方では、そんな先進機能は未導入ということなのでしょう。
会話の内容を何となく聞いていましたが、何があったのか、別の車の運転手さんが無線室のおばちゃんを怒鳴りつけるという展開に。
しかし、伊豆の海を見ながらの走行では、それすらも長閑に感じられます。
地元の情報に詳しい
これだけだと「地方のタクシーは遅れてるな」で終わるのですが、よい点もありました。
ホテルのプライベートビーチが先日の台風で被害を受けた、という情報を得られたのです。
このあたりは地元密着のタクシーならではといえるでしょう。
実際、ホテルに入ると「他の海水浴場へご案内します」という掲示があり、運転手さんの情報が正しかったことを知りました。
ホテル前で降ろしてもらいましたが、領収書は出てきません。
東京23区だと、言わなくても8割がた領収書が出てくるものですが。
2乗車目(未遂):ホテル→伊豆急下田駅
帰りも急遽タクシーを利用することになりました。
ホテルの送迎バスを予約しておいたのですが、3日間の疲れからか、帰る日の朝になって、ツマーが「タクシーがいい」と言い出したのです。
チェックアウトの時刻に合わせて予約するのが確実ですが、迎車料金や予約料金がどうなっているか分からず、「全国タクシー」アプリでも呼べないことが分かったので、何も行動を起こさずにひとまずチェックアウトしました。
この過程で思ったことを少々。
このご時世、地方でもウェブサイトを持つタクシー会社は珍しくありません。
しかし、ページの中に運賃表(初乗りいくら、何mまでいくら、迎車料金いくら)を載せている会社は、意外なまでに少ないのです。
社長の挨拶とか載せてる暇があったら、運賃表を載せてください!と、一利用者としては思うわけです。
これを読んでるタクシー会社の方、ぜひご検討ください。
配車までに1時間半!
フロントで「タクシー呼んでもらえますか」と頼んだところ、想像を絶する回答が。
「今からですと1時間半かかりますが、よろしいですか?」
い、1時間半!?
真夏の日曜日、下田は文句なしのハイシーズン。
タクシーは引っ張りだこで、呼んでもなかなか来ないということのようです。
フロントが「1時間半待ち」と即答したことからして、同じことを考えた人がほかにもいるのでしょう。
さすがのツマーも1時間半待ちと聞くと諦めがついたようで、満席のマイクロバスで伊豆急下田駅へ戻りました。
バスに乗ろうとすると、ホテルの車寄せにはタクシーが2台停まっていました。
乗客の恰好や荷物の量からして、この周辺を巡る観光タクシーを予約していたようです。
こんな仕事まであるのでは、配車されないのも納得です。
込み合う時期の観光地では、タクシーが全くつかまらないことも念頭におき、どうしても利用したいのならば事前に予約するのが確実なのだな、と学びました。
まとめ:東京の朝はまだマシだった
以上、実際には1乗車しかできませんでしたが、ハイシーズンの静岡県下田市のタクシー事情をお送りしました。
やはり、配車まで1時間半というのが何よりショックでした。
これ、急病だったらどうしようと思いますね。
東京23区のタクシーも、特に平日の朝方は呼んでもなかなか来ないことが多くあります。
通勤や用務などで需要が大きいうえ、ちょうど運転手さんの交代時間が朝方に集中しているようで、供給が少ないということも影響しているのでしょう。
しかし、さすがに1時間半待ちということはないので、まだ東京は恵まれている、東京のタクシーは「あてにできる」のだなと思いました。
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