逆転の発想! 契約アンペア数を上げて電気代節約、シン・エナジーのプランC

節約

電力自由化の開始から数年が経過し、巷には「電力会社を乗り換えよう」という広告があふれています。

我が家はつい最近まで東京電力を使っていましたが、転居を機に見直したところ、穴場的な電力会社を見つけ、早速契約しました。
シン・エナジーという会社で、この会社のプランCが格安なのです。

 

以下、本記事でポイントになるのが「契約アンペア数」です。

アンペア数が大きいほど料金が高くなるというのが今までの常識でしたが、実は、むしろアンペア数を大きくした方が安くなる場合があるのです!

なお、本記事の対象は東京電力エリア(正確には「東京電力パワーグリッド」エリア)であり、他エリアでは事情が大幅に異なる場合があります。

アンペア数については、以下の記事にまとめました。
よく分からない方は、まずこの記事からお読みいただくとよいでしょう。

電気代節約のカギ「契約アンペア数」の疑問に答えます
家計の見直しはまず固定費から、と言われます。多少の増減はあるものの、毎月支払いますからね。中でも電気代は、電力自由化の実施により新たな電力小売り業者が多数できたこともあり、何らかの見直しをしたという方も多いかと思います。しかしその際、スルー...

60Aにするとむしろ割安!?

転居を機に電気料金を見直そうと思い、比較サイトで安い電力会社を探したのですが、我が家の条件ではダントツで安い会社がありました。

冒頭に書いたとおり、新電力会社の一つ「シン・エナジー」の「プランC」が非常に割安だと判明したのです。

主に事業者向けのプラン

「プランC」という名称は、東京電力の「従量電灯C」に相当するプランであることを示しています。

つまり本来は、商店など、一般家庭よりたくさん電気を使う人向けのプランです。

電力自由化以前、皆が東京電力と契約していたころ、一般家庭は「従量電灯B」、それで足りない人(主に事業者)は「従量電灯C」という契約になっていました。

従量電灯Bは契約アンペア数が60A以下、従量電灯Cは契約容量が6kVA以上です。

また、従量電灯Bでは電力会社がアンペアブレーカを用意してくれ、その容量に基づいた契約となりますが、従量電灯Cでは電気の利用者が主開閉器を用意し、その容量に基づいた契約となります。

アンペアブレーカ60Aなら一般家庭でもOK!

これだけ聞くと、何となく「一般家庭で従量電灯Cは無理、だからシン・エナジーのプランCも無理」と思いますよね。

しかし、そうでもないのです。

まず契約容量については「60A=6kVA」と考えてよく、そこまで大容量ではありません。
60Aまでなら、一般家庭でも、工事費無料で変更できる場合が多いと思います。

また主開閉器を自分で用意せよという件についても、実際には、従量電灯Bで設置される60Aのアンペアブレーカがあれば、それで代用できるようです。
私自身、マンションの一室に住んでいますが、40Aのアンペアブレーカを60Aに無償交換(実際にはスマートメーターに上限値「60A」を設定)してもらった上で、「プランC」に契約できています。

これが40Aや50Aだと、約款上、明らかにプランCの契約は不可能です(契約容量が6kVA以上となっているため)。
「プランC」は非常に安いので、アンペアブレーカを60Aに交換してでも「プランC」に加入した方が安くなる、という事例があるわけです。

比較サイトで注目されない理由

シン・エナジーという会社、私は正直言って全く知りませんでした。
一般的にも知名度は低いと思います。

しかし「プランC」は非常に安く、もっと注目されてもいいはずです。

 

知名度が低い理由の一端は、前述のとおり「アンペアブレーカが60Aでないと契約できない」ということだと思います。

新電力各社の料金を比較する際には、エネチェンジのような比較サイトを利用しますよね。

その際に現状のアンペアブレーカの値を入力すると思うのですが、現状が40Aや50Aだと、当然ながらシン・エナジーのプランCが候補に出てこないのです。

我が家はたまたまアンペアブレーカが60Aだったので気付くことができたのですが、これ、かなりの盲点ですよね。

月300kWh以上の家庭なら間違いなし!

単に「安い安い」と言っていても信憑性がないので、具体的に比較してみます。

比較対象としては以下3社を選びました。
なお、シン・エナジーは6kVA(60A)で、他社は(契約アンペア数によって基本料金が変わる場合には)40Aで料金を計算しています。

  • 東京電力エナジーパートナー「スタンダードS」(何も考えずに新規契約した場合)
  • ENEOSでんき「東京Vプラン」(代表的な新電力会社)
  • TEPCOライフサービス「ゼロからでんき」(基本料金ゼロの代表)

0kWhから1000kWhまで、各社の料金を計算して比較したのですが、400kWhで決着がついたので、以下のグラフは0~400kWhの抜粋です。

最初こそ東電より割高なシン・エナジーのプランCですが、200kWhを超えると競り合いになり、300kWhでは明らかに他社より割安となります。

以降は他社との差が開く一方で、使えば使うほど割安になっていきます。

それもそのはず、シン・エナジーのプランCでは、300kWh以上の単価が22.9円/kWhと、ずば抜けて安いのです。
一般的な新電力各社が26円台ですから、次元の違う安さといってもいいでしょう。

より分かりやすいように、東電のスタンダードSとの差額をグラフにしてみました。
東電より高い場合にはプラス、安い場合にはマイナスとなります。

最初は東電のスタンダードSより割高なシン・エナジーのプランCですが、250kWhを過ぎたあたりで逆転が起き、以降はシン・エナジーの独走となります。

 

2020年末の時点では燃料費調整額が大体マイナス5円/kWhなので、40A・300kWhだと、月の電気代が7000円程度になります。

一般に、電気の消費量が最も低くなるのは春と秋です。
春と秋でも電気代が7000円を下回らないのであれば、契約アンペア数を60Aに上げてでも、シン・エナジーのプランCに乗り換えるのが安上がりとなる可能性が大です。

ただ、実際に乗り換えるのであれば、過去の電力消費量をきちんと把握すべきです。
できれば、過去1年分の電力消費量を記録してから検討したいところです。
最近では各社とも、ウェブ上で過去の電力消費量を見られるサービスを提供していますので、まだ利用していない方は、手始めにそうしたサービスの利用手続きをしてみてください。

時間帯別のプランなら、もっと安くなるかも

べた褒めしてきたシン・エナジーのプランCですが、300kWh以上使う場合でも、これが最安とは限りません。

もし、電気の使用時間が偏っているのであれば、電気料金が時間帯別に異なるプランを検討すべきです。

たとえばシン・エナジーには、プランCのように全時間帯が同額のプランの他、「平日昼間が高く、深夜早朝が安い」というプラン、逆に「平日昼間と深夜早朝が安く、それ以外が高いプラン」など複数のプランがあります。

これら時間帯別のプランは「従量電灯B」からの乗り換えを想定したもので、対応する契約アンペア数は60A以下、かつアンペア数により基本料金が違います。必要もないのに契約アンペア数を60Aに上げると損をします。

特に深夜早朝を割安にしているプランでは、その時間帯の電気料金が通常より大幅に安くなる場合が多いので、生活スタイルによってはプランC以上の節約を見込めます。

たとえば、共働きで平日昼間は留守、洗濯物は夜中に乾燥、食洗機を回すのも深夜と早朝…といった生活スタイルだと、検討の価値ありです。

 

かくいう我が家も、転居前は、東京電力エナジーパートナーの「おトクなナイト10」というプランに加入していました(現在は新規契約できません)。
洗濯~乾燥は会社から帰った夜にやるしかなかったので、電気代の安くなる22時以降におもむろに洗濯機を回し始め、電気代を相当節約できました。
今はマンション生活なので、夜中に洗濯機を回すのは気が引けて、もっぱら夕方から洗濯機を回すことにしています(そのため、深夜早朝が安いプランは選びませんでした)。

シン・エナジー プランCへ加入するには?

以上のとおり、アンペアブレーカを60Aに取り替えてでも加入する価値のあるシン・エナジーのプランCですが、今日現在、アンペアブレーカが60Aでない場合には、これを取り替える必要があります

アンペアブレーカを60Aに変更する

引っ越しを伴わず、現在の住居でシン・エナジーのプランCに乗り換える場合には、先にアンペアブレーカを取り替えてからシン・エナジーのプランCに申し込むのがよいと思います。

 

また、転居のタイミングでシン・エナジーのプランCを使い始めたい場合には、転居先の既設アンペアブレーカが60Aになっているか?ということをまず確認する必要があります。

現状すでに60Aのアンペアブレーカが設置されている場合には、いきなりシン・エナジーのプランCに加入することができます。

一方、現状のアンペアブレーカが50A以下の場合、いきなりプランCに加入することはできません。
私も実際にはこれでした。

私の場合、とりあえず東京電力エナジーパートナーの「スタンダードS」を契約し、アンペアブレーカを60Aに交換した上、でシン・エナジーのプランCに移行しました。
しかし今考えると、50A以下でも加入できるシン・エナジーの別のプラン(たとえば「きほんプラン」)をひとまず契約して、転居後にアンペアブレーカを60Aに交換した上で、プランCに乗り換える方が、手間が少なかったと思います。

契約アンペア数の変更について、詳しくは別記事をご覧ください。

電気代節約のカギ「契約アンペア数」の疑問に答えます
家計の見直しはまず固定費から、と言われます。多少の増減はあるものの、毎月支払いますからね。中でも電気代は、電力自由化の実施により新たな電力小売り業者が多数できたこともあり、何らかの見直しをしたという方も多いかと思います。しかしその際、スルー...

今、従量電灯Cじゃないけど大丈夫なの?

なお、実際にウェブ上でプランCを申し込もうとすると、契約容量はアンペア数ではなくkVAで尋ねられ、暗に「現在は東電の従量電灯Cをお使いですよね?」と言われているように感じます

しかし実際には、現状「従量電灯Bの60A契約」でもプランCへの加入が可能です。
契約容量は「6kVA」としておけば大丈夫です。

念のため、私は以下のコメントを「ご要望欄」に記載して申し込みましたが、特に問い合わせの電話が来ることもなく、粛々と供給開始となりました。

実際には現在従量電灯B 60Aで契約しておりますが、プランCを契約したいため便宜上従量電灯C 6kVAと入力しております。事前に貴社コールセンターに確認したところ、アンペアブレーカが60Aであれば、東電 従量電灯Bから貴社プランCへの契約が可能と伺いました。

まとめ:快適な60A生活を格安で!

以上、あまり知られていないのに結構お得なシン・エナジーのプランCのご紹介でした。

繰り返しになりますが、電気代を節約しようとしているのに、あえてアンペアブレーカを60Aに上げるというのは、盲点を突くような手法です。

しかし本来、アンペアブレーカの容量が大きくて困ることはありません。

オール電化でもないのに60Aにする人は少数派のようですが、60A、いいですよ。
電気製品を同時に使って「ブレーカ落ちないかな?」と心配になることがまずありません。

これで電気代も節約できるとしたら、いいことずくめです。

子サイトはじめました!
本記事をお読みいただき、ありがとうございました。

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