アプリで迎車料金無料! kmタクシー「フルクル」を徹底分析

アプリの使い勝手がいいので、タクシーはすっかり日本交通派の私たちですが、ここにきて大手4社の一角、国際自動車(kmタクシー)が新たなアプリ「フルクル」の導入を発表しました。利用開始は2017年11月とのこと。

このアプリ、何と迎車料金なしで空車のタクシーを呼べるのだそうです! もちろん条件付きではありますが、世界初、特許取得済みというこの仕掛けは東京のタクシー界に新たな風を吹き込みそうです。

※予定どおりアプリはサービスインしました。実際にインストールして分かったことは以下の記事にまとめてあります。

プレスリリース後にちょっとした話題になったのが、東京のタクシーを迎車料金無料で呼べるアプリ、国際自動車(kmタクシー)の「フルクル」です。...

新たなアプリ「フルクル」の概要は?

「フルクル」という新たなアプリについて、まずはプレスリリースをご覧ください。

世界初!スマホを振るだけで、空車タクシーが集まってくるアプリ「フルクル」が11月提供開始
(国際自動車)

その名のとおり、タクシーを呼びたいときにはアプリを起動してスマホを振ります。するとタクシーが「集まってくる」のだそうです。

迎車料金なし、その代わり…

単に「スマホを振るとタクシーを呼べる」というだけなら「ふーん」と受け流すところですが、注目すべきは迎車料金不要の「緩い」システムです。

プレスリリースによると、通常の迎車(アプリ経由含む)とフルクルの違いは「確実性」なのだそうです。

通常の迎車では、空車があればお願いした場所に確実に来てもらえます。その代わり迎車料金(東京23区だと標準的には300~410円)がかかります。
一方、フルクルでタクシーを呼ぶと、空車が利用者のほうへ向かってきてくれることが期待されますが、「乗車を確約するものではありません」とのこと。その代わり迎車料金は不要です。

どういう仕組みになっているのか?

通常の迎車では、申込みが成立した段階でタクシーのメーターは「迎車」に変わります。
この状態では、道端で別のお客さんに呼び止められてもお構いなしで、タクシーを呼んだ人のところへ直行です。

一方フルクルでは、タクシーを呼んだ人のところへ向かう最中もメーターは「空車」のままのようです。「呼ばれたから行く」というよりは、「あっちにお客さんがいるらしいから行ってみよう」というドライバーの判断により車を走らせているという感じかと思います。
メーターが「空車」ですから、途中で別のお客さんに呼び止められたらそちらに対応することになります。運良く、呼んだ人のところまで空車のままでたどり着ければ「迎車成功」です。

実際の運用でよく分からないのは、フルクルで車を呼んだお客さんが1人いる場合に、先着1名のドライバーのみが対応できるのか、そうした制限はない(近くにいる複数のドライバーが、お互い打ち合わせず争うようにしてその人のもとへ向かう)のか、というところです。
前者の方式だと、「オレが行く!」と宣言したドライバーが別のお客さんに「横取り」されてしまったらその時点でアウトになるので、利用者としては後者の方式のほうがいいなと思うのですが。

通常の迎車もできる

プレスリリースによると、「フルクル」では通常の迎車もできるそうです。この場合には410円の迎車料金がかかりますが、対応できる空車がある限りは確実に来てくれます。

私たちの知る限り、これまでkmタクシーをアプリで呼ぶことはできなかったと思いますが、ようやく呼べるようになります。kmの営業所が自宅から割と近くにあるので、選択肢が一つ増えました。

実用性は?通常迎車との棲み分けは?

現状、アプリを実際に利用できないので、「呼んだらどの程度の確率で来てくれるか」という実用性が分からないのですが、プレスリリースを読む限りは期待大です。

「街の物陰」では効果大か

都心部で1本路地を入ったところであったり、主要道にほど近い大病院の車寄せであったり、「近くに空車はいるはずなのに、タクシーに見つけてもらえない」という状況は意外にあります。

迎車すれば確実に来てはもらえます。しかし、手の届きそうなところに空車がいるのに、わざわざ迎車料金を払うというのも、ちょっともったいない気がするのですよね。特に東京23区では初乗りが410円となり、迎車料金も(高い会社だと)410円するので、迎車料金の割高感が際立ってきたと思います。

フルクルは、こんな状況で最も威力を発揮するものと思います。乗客はもちろん、ドライバーにしても「すぐ近くで乗客が待っている」というのは有難い情報でしょう(だからこその迎車料金無料だと思います)。
プレスリリースの言葉を借りれば、フルクルは「乗車契約」ではなく、乗客とドライバーの「マッチング」を行うアプリだといえます。

フルクルが苦手なエリアは?

一方、「これで迎車料金は金輪際支払わなくてよくなる」と喜ぶのは、おそらく早いと思います。
たとえば私たちの自宅にタクシーを呼ぶ場合、フルクルでは荷が重いかな、と予想しています。

自宅はkmタクシーの営業所のわりと近くにあるので、エリア的には「km不毛地帯」というわけではありません。
しかし自宅最寄りの主要道を空車で流しているタクシーは多くなく、ましてkmに限定すると1時間に数台だと思います。

このような状況でフルクルを利用して、果たして最寄りの空車が来てくれるか?というと、難しいのではないかと思うのです。

普段、私たちは全国タクシーアプリで日本交通のタクシーを呼びますが、呼ばれてやってくる車は、自宅まで平均2km以上走ってやってきます。1km以内ということは稀で、5km近くの道のりを10分以上かけて走ってくることも時々あります。

会社が違うので一概に比較できませんが、かりに空車の分布がこれと同じだとした場合、フルクルでタクシーを呼んでも、おそらく来てくれないだろうと想像します。
迎車料金も発生しないのに、わざわざ2km先のお客さんを拾いにいくかどうか?という問題が一つ。また、かりに向かったとしても、長距離を走るだけに、途中で呼び止められる可能性が高いのでは、という別の問題が一つあります。

実際どうなのかは利用してみないと分かりませんが、少なくとも自宅にタクシーを呼ぶ場合には、あまり実用にならないのではないかというのが私たちの見立てです。

キャンセルポリシーがカギを握る

プレスリリースには記載がないのですが、フルクルの実用性を大きく左右するのは「キャンセルポリシー」だと思います。

分かりやすくいうと、フルクルでタクシーを呼んだ直後、たまたま別の空車が通りかかったのでそちらに乗る、ということが許されるのか?ということです。

現状の配車アプリはここが困る

通常の迎車の場合、近くに空車がいないので、仕方なくお金を払って呼ぶわけですが、そんなときに限って別の空車が通りかかることが往々にしてあります。
どう考えても、迎車をキャンセルして目の前のタクシーに乗った方が有利です。

しかし、いったん迎車したものをキャンセルするハードルはそれなりに高いのです。
アプリによっては「到着直前でなければ迎車キャンセル可」となっていますが、多くの場合には配車センターに電話をかけねばなりません。実際にキャンセル料をとられることは稀だと思いますが、面倒ではあります。

キャンセル可能なら、都心部では無敵か?

一方、フルクルの場合は「呼んでもタクシーが来るとは限らない」という前提です。タクシーがこちらに向かう途中で、別のお客さんが「横取り」してしまう可能性もあります。

これに呼応する形で、利用者の側も「たまたま近くにいた別のタクシーに乗ってよい」、つまり「アプリから容易にキャンセル可能」というルールになるとすれば、他社アプリと比べて相当なアドバンテージになります

特に都心部、間違いなくタクシーは豊富にいるはずなのに、なぜかたまたま空車が来ないという状況では有用です。
とりあえずフルクルでタクシーを呼んでおき、その間も別の空車が通りかかるのを待つ。この方法で、実際にタクシーに乗れるまでの時間は確実に短縮されます。他社アプリにありがちな「迎車した途端に空車が見つかった」という失敗もありません。

イタズラ対策と利便性のバランスをとれるか?

ただ、「自由にキャンセル可能」となると、稀だとは思いますが「乗る気がないのに呼ぶ」というイタズラが懸念されます。
だからといって、他社アプリと同様に「キャンセル時は電話で」などとなると利便性は損なわれます。利用者としては、可能な限り制約を緩くしてほしいところです。

SMSやクレジットカードで認証を行う、連続5回キャンセルしたらペナルティ(1回でも実際に乗車すれば回数はリセット)等、イタズラ対策と利便性のバランスをとってもらえれば、利用者としては有難いと思います。

終わりに:日本交通の独走を止められるか?

以上、迎車料金不要を謳った新しいタクシーアプリ「フルクル」のご紹介でした。2017年11月のサービスインが待ち遠しいところです。

これまで、タクシー業界のIT化といえば日本交通が独走ないし孤軍奮闘しているという印象がありました。配車アプリ、ネット決済、そして「街で拾ったタクシーでのネット決済対応」など、本ブログでも何度かご紹介してきたところです。

今回のフルクルは、技術面というよりは「乗客とドライバーのマッチング」という今までにない発想でタクシーの利便性を高めようとするもので、さすが大手、密かに考えていたのだな!と感心させられました。
これを契機に、タクシーにおけるIT活用がさらに進み、より便利に、より無駄のない(=低料金な)サービスになることを期待します。

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