公衆電話、利用していますか?
最近は携帯電話に押されて数が減り、主要駅でもなかなか見かけなくなりました。
しかし、出先で「長くなりそうな電話」をするときには、依然、公衆電話は心強い味方です。
お持ちの携帯電話が「通話定額」でない方、テレホンカードを1枚、財布に忍ばせておきましょう。
うっかり携帯電話を忘れたときの助け舟にもなります。
また、フリーダイヤルやナビダイヤルにかける際も、公衆電話を利用すると料金を節約できることがあります。
公衆電話は安い?高い?
公衆電話の料金について、どんなイメージをお持ちでしょうか。
固定電話だから安そう? いやいや、維持費がプラスされるから高そう?
昔は、公衆電話の通話料は「家の電話」からかけるのと同じ料金でした。
しかし公衆電話は家の電話以上に維持費がかかるので、その分を料金に転嫁しようということになり、現在では家の固定電話からかけるより高くなっています。
割安なのは「固定→固定」だけ
では具体的に、公衆電話の通話料金はいくらでしょうか?
答えはこちらです。以下は「10分かけたときの税込み料金」(2021年3月現在)を示します。
公衆電話→固定電話 | 80~750円 |
公衆電話→IP電話(050番号) | 340~360円 |
公衆電話→ドコモ携帯電話 | 390円 |
公衆電話→au携帯電話 | 300~670円 |
公衆電話→ソフトバンク携帯電話 | 530円 |
公衆電話→楽天モバイル携帯電話 | 390円 |
ちなみに、携帯電話から発信する場合の標準的な料金は10分で440円(30秒で22円)です。
上記の表で料金に幅があるのは、「かける曜日・時間帯」「相手先までの距離」「相手の会社」によって料金に違いがあるためです。
詳しくは各社の料金表を見てみてください。
ただし、各社の料金を一覧できる公式サイトはありません。
「固定電話宛」「IP電話宛」「携帯電話宛」と別々のページで案内されています。
- 公衆電話→固定電話(NTT東日本)
- 公衆電話→IP電話(050番号)(NTT東日本)
- 公衆電話→ドコモ携帯電話(NTTドコモ)
- 公衆電話→au携帯電話(au)
- 公衆電話→ソフトバンク携帯電話(ソフトバンク)
- 公衆電話→楽天モバイル携帯電話(NTT西日本)
「携帯発」の格安サービスと比較してみよう
携帯電話からかけると10分440円ですから、表を見る限り「公衆電話が割安になることが多そう」と思えます。
ところが、携帯電話から発信する場合、以下のページでご紹介したような格安サービスがあるのです。
中でも料金が最安の「ブラステル」を利用した場合、料金は6秒2円、しかも消費税はかかりません。
10分かけても200円で、こうなると公衆電話からの発信は軒並み割高となります。
かろうじて、近距離の固定電話にかける場合に割安になるかどうか、というところです。
テレホンカードを安く買えば逆転も!
しかし、公衆電話にも奥の手があります。
テレホンカードを格安で入手すれば、実質的な価格が大幅に下がるのです。
金券ショップが近くにあれば、覗いてみてください。
500円分のテレホンカードはほぼ間違いなく300円台で売られています。
うまくすると200円台で買えることもあります。
30kmまでならブラステルより割安
かりに、500円のテレホンカードを300円で入手できたとします。
すると、公衆電話の料金は実に4割引です。
4割引なら、固定電話宛の通話は10分48~450円となり、ブラステルの10分200円を大きく下回る場合が出てきます。
現実的なところでいうと、昼間・夜間(8~23時)に区域内(例:03地域→03地域)へかける場合、定価が56秒10円ですので、4割引すると10分あたり66円。ブラステルの3分の1の価格で済んでしまいます。
また隣接区域(例:03地域→0422地域)だと4割引後の価格で10分96円で、ブラステルの半額以下です。以下、30kmまでだと同144円、40kmまでだと同168円、60kmまでだと同228円となります。
ということで、40kmまでであればブラステルより公衆電話が安くなります。
ただ、テレホンカードを額面の60%以下の価格で入手することが前提ですので、30km以内が実用上のターゲットになるかと思います。
東京03地域は「公衆電話天国」だ!
公衆電話は、東京03地域にいる場合に特に重宝します。
どこかの事務所にかけるとなると、相手は03地域が圧倒的に多いと思います。
10分66円なら、電話の相手が多忙でしばらく待たされても我慢できる料金です。
また、03地域は人口が多いだけに、公衆電話を見つけるのもそこまで難しくありません。
「携帯NG」のフリーダイヤルに活用
以上は普通の固定電話にかける場合でしたが、相手がフリーダイヤルの場合、公衆電話が俄然有利になることがあります。
フリーダイヤルは文字どおり「通話料無料(相手負担)」なのですが、「どこから発信するか」について制限をかけている場合が多くあります。
中でも多いのが「携帯電話からはつながりません」というもの。携帯電話からかける場合には有料になります、という案内をよく見かけます。
こんなとき、公衆電話からなら問題なくつながる、という場合が多いのです。
0570「ナビダイヤル」に公衆電話からかけると?
フリーダイヤルではありませんが、特別な番号として「ナビダイヤル」というのがあります。
0570から始まる番号で、通話料金は一部または全部が発信者負担となります。
このときの通話料金も、携帯電話発が固定電話発より高く設定されている場合が多くあります。
ナビダイヤルの場合、携帯電話各社の「通話定額」プランの対象外であり、ブラステル等の格安サービスも使えないので大損です。
以下のページに詳しく書きましたが、ナビダイヤル以外の番号が公開されているのであれば、そちらにかけた方がよいでしょう。
では、このナビダイヤルに公衆電話からかけた場合、通話料の節約になるのでしょうか?
結論からいうと、ナビダイヤルは、相手先のポリシーにより「通話料の一部が着信者負担」となっている場合があるので、一概にはいえません。
以下、かりに100%発信者負担だった場合を考えると、一般の固定電話にかけるのと同額となっています。
つまり、ナビダイヤルの相手先が区域内であれば昼間10分66円(4割引後)と割安ですが、30kmを超えていれば、ブラステルで、ナビダイヤルでない「普通の番号」にかける方が安くつきます。
なお、どうしても「普通の番号」が判明せず、バカ正直に携帯電話からナビダイヤルにかけた場合、料金は平日昼間で一律20秒11円、10分で330円となります。
4割引でテレカを入手できたと仮定して、公衆電話発の料金(平日昼間)がこれを下回るのは通話相手が80km以内の場合に限られます。公衆電話が手近にあり、割安なテレホンカードを持っていて、さらに相手先が比較的近距離の場合に限り、公衆電話からの発信がよい――ということになります。
ただ、繰り返しになりますが、ナビダイヤルには「通話料の一部を着信者負担にする」というオプションがあり、発信者(かける側)が負担する料金はこれより安くなることがあります。
したがって「必ずこの方法が安い」とは言い難いものがあります。
結論としては、ナビダイヤル、どうも好きになれません。
まとめ
公衆電話の料金は、普通に利用すると必ずしも安くないことが分かりました。
しかし、格安のテレホンカードを利用することで、近距離の固定電話にかける場合には携帯電話よりも割安となります。
携帯電話からつながらないフリーダイヤルにもかけられる場合が多くありますので、格安で入手したテレホンカードを1枚持っておくと、ちょっとした節約になりますよ。
コメント
ナビダイヤル、大っ嫌いです。
こっちは折角カケホーダイプランに加入しているのに、わざわざ有料通話強制するとか、その企業を嫌いになって欲しいのかと疑ってしまいます。
なお、料金情報の一部に誤りがあります。
携帯電話からの料金が最高で14秒10.8円とありますが、これは64Kディジタル通信モードという特殊なモードで音声通話を発信した場合です。通常の音声通話ならば、全国一律で昼間20秒・夜間休日22.5秒・深夜早朝25秒で10円です。
そして公衆電話からの発信ですが、これが数日前に仰天させられたのですが、平日昼間に160km以上の通話になると、何と8秒ごとに10円です!公衆電話は固定電話扱いだから携帯より安いだろうとわざわざ公衆電話まで出向いて通話してバカを見ました。呼び出し音を聞いている間にも次々に10円が落ちていき、5分ほどの通話のために30枚近く10円玉を投入するという馬鹿げた有様。
後できちんと調べたら、わざわざ労力を使って携帯電話より2.5倍も高い料金を払わされたことが判明。二度と公衆電話からナビダイヤルにはかけません。
さすらいの旅人様:
コメントありがとうございます。
確かに、調べ直すと携帯電話発の料金が「一般的でないもの」になっておりました。大変失礼しました。本文は訂正してあります。
(ナビダイヤルに64kデジタルで通信するということ自体、今時考えにくい状況ですが…)
私の住んでいる自治体では、新型コロナのワクチン接種のコールセンターがナビダイヤルで、参ったなと思いました。幸い特殊な事情がなかったのでネットで事足りたのですが、かりに体調不良で日延べするような場合にはネット上で対応できないため、有無を言わさずNTTコムに通話料を献上ですよ。
最近思うのですが、ナビダイヤルというのは「なるべく顧客が電話してこないようにするための手段」、もしかすると「コールセンター運営費を利用者に一部負担させるための手段」ではないかと。だったら通話料という名目で徴収するのではなく、正面切って「ダイヤルQ2」みたいに利用料として徴収する方が、まだ納得感があります。
久々にナビダイヤルを利用せざるを得なくなったので、公衆電話に行ってきました。
以下、メモです。
(1)最初に自動音声のガイダンスを聞いて、該当のメニューを「5#」のように選択する方式だったが、メニューを選択し終わるまでの間は通話料無料。テレホンカードの度数は減らないし、テレホンカードを挿入しなくてもガイダンスを聞ける。
(2)メニューを選択後、回線混雑がひどいと「しばらく経ってからおかけ直しください」と案内され強制切断されるが、この場合、通話料金は発生しない。
(3)回線が空いていると実際のコールセンターに接続されるが、ここでようやく「39.5秒ごとに10円です。通話料定額プランの対象外です」といったアナウンスが流れる。このアナウンス中も通話料金は発生しない。
(4)アナウンス終了後、呼び出し音の間も通話料金は発生しない。
(5)呼び出し音が止んでコールセンターにつながったところから通話料金が発生する。ここからさらに、コールセンター側でのオペレータ空き待ちで保留となった場合、その間は通話料金が発生する。
番号ごとに挙動は異なると思います。今回はかなり良心的な設定のナビダイヤルでした。
「○秒ごとに10円」というアナウンスの段階から課金されるという話を聞いたことがあるのですが、実際は違いました。もし、この仕様が全番号で共通ならば、個々のナビダイヤルの料金を無料で知ることができるわけですから、料金を聞いて一旦電話を切り、公衆電話にするか携帯電話にするか、じっくり検討してもよいわけです。
今回、39.5秒ごとに10円だったので、コールセンター所在地は隣接ないし20km以内の区域にあったと想像します(それか、通話料の一部をコールセンター側が肩代わりしてくれているか)。
死蔵テレカを消費できたこともあり、「そこまでナビダイヤルを嫌うこともないのでは?」という感想でしたが、しかしテレホンカードは130円分減りました。
コールセンター運営費としてなら支払いますが、通話料という名目で130円も支払いたくはないですね。