我が家では、クロス取引という手法を用いて、ほぼノーリスクで株主優待を得る投資を行っています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
また、一般信用売りの在庫の関係でクロス取引をしづらい銘柄について、ある程度のリスクはあるものの、過去10年以上のデータに基づいた「逆張り優待投資」を実践しています。
興味のある方は以下の記事をご覧ください。
いずれの投資方法もリスクは比較的低いと思っていたのですが、2018年10月、あわや大惨事という事件に遭遇しましたのでご紹介します。
事件はアクトコール(6064)の株で起きました。
アクトコール社とは?
株主優待銘柄を見ていて、これは!と思ったのがアクトコールという会社です。
事業内容は、とても一言では言い表せません。
不動産関連から飲食まで、様々なことを手掛けているようです。
手厚い株主優待
株主優待の内容が手厚く、100株保有で自社食事券2000円、さらにクオカード1000円分がもらえます。
200株なら自社食事券8000円、クオカード2000円にランクアップです。
私たちが購入を検討していた時点では、200株でも17万円程度で購入できました。
これで額面1万円分の優待をもらえるのですから、注目を集めないわけがありません。
そのため例年、権利確定日の直前に株価が急騰するという傾向を示しており、「逆張り優待投資」では狙い目になってきます。
度重なる問題発生
一方、常に何らかの事件を抱えている会社でもあります。
最近では「会計上の疑義」により、過去の決算書を軒並み訂正するという発表がありました。
俗にいう「粉飾決算」の疑いです。
このニュースで株価は一時急落したのですが、11月末の権利確定を控え、じわじわと値を戻していました。
購入予定日は10月15日、その日に何が?
このアクトコール株、経営状況を見るとリスクはかなり高いものの、権利確定前の値上がりが見込まれます。
私たちは過去のデータを分析し、10月15日に100株購入する、という予定でいました。
以下の記事に詳細をまとめてあります。
手数料をケチって1日先送り
ところが、同様の理由で10月15日に購入すべき銘柄がもう1つありました。
北恵(9872)です。
この銘柄も、100株あたり10万円以下と割安であり、株主優待でクオカード(100株で500円分)をもらえるため、権利確定直前に値上がりする傾向があります。
別に、2銘柄同時に買えばいいじゃないかという話なのですが…
私たちは松井証券に口座を持っています。
松井証券では、1日の約定代金10万円以内は何と手数料が無料なのです。
これだけのために、松井証券に口座を開いてもいいと思います。
おススメです。
このルールだと、10月15日に2銘柄買えば手数料がかかる一方、15日と16日に1銘柄ずつ分散して買えば、手数料なしで2銘柄買えてしまうのです。
数百円の利益を積み上げる投資スタイルですから、手数料は無視できません。
どちらか1銘柄は明日に回すことにしました。
どちらが先でもよかったのですが、アクトコールに対する漠然とした不安があり、10月15日にはひとまず北恵を購入しました。
翌朝、アクトコール発注。すると…
明けて10月16日。
オットーは朝7時台、通勤中にアクトコール100株の買い注文を入れました。
確実に購入できるよう、指値ではなく成行です。
市場が9時に開き、松井証券から約定のメールが届…きません。あれ?
結局、昼休みになってもメールが届かないので注文内容を確認したところ、やはり前場で約定していませんでした。
成行で注文したのに、購入できない…?
複数気配を確認して血の気が引きました。
買い注文の数十倍の売り注文が入り、朝から一度も値がつかない状況でした。
原因は株主優待の廃止!
これは何か悪いニュースがあったに違いないと思い、あわててネットを検索しました。
すると、昨日10月15日にアクトコール社が衝撃的な発表をしていました。
「次回は無配」、さらに「次回の株主優待廃止」だというのです!
無配だけなら驚きませんが、株主優待が廃止されるとなると、権利確定直前の値上がりは期待できません。
皆が焦って売りまくっているところに、何も知らず成行で注文を入れたオットー。
「情弱」という言葉が頭をよぎります。
あわてて松井証券のサイトに戻り、注文を取り消しました。
結局、この日はストップ安となり、昨日の終値が877円のところ、727円で引けました。
昨日購入していたら、1日で15000円失っているところでした!
ちなみに翌日は、また150円下げて577円となりました…。
怖い怖い!
まとめ:「ほぼ」ノーリスクは「絶対」ではない
以上、手数料をケチったため、奇跡的に命拾いしたという一件でした。
松井証券には足を向けて眠れませんね。
今回は単なる現物買いですので、元々それなりにリスクのある投資手法でした。
が、かりにクロス取引であっても、今回のようなリスクはあります。
「現物買い」+「信用売り」を行ったあとに、株主優待が廃止となるようなケースですね。
クロス取引ですから株価変動の影響は受けませんが、手数料を払ったのに優待品はもらえないので、手数料のぶんだけ損をします。
権利確定日直前にクロスするならこのようなリスクはありませんが、人気銘柄だと直前には信用売りができず、1ヶ月前、2ヶ月前に早々とクロスしてしまう場合があるのですよね。
優待目当ての投資をするなら、優待関連のニュースはしっかり集めておくことが重要だと感じた一件でした。
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