ツマーが持病ありなので、タクシーには何かと縁のある我が家。
おそらく年間100乗車ぐらいはしていると思います。
20km程度のタクシー乗車には慣れっこになってしまいました。
クルマ買ってよー。病院行くのに楽じゃん
いや、具合悪い人は運転できないでしょ
維持費まで考えると、自家用車よりタクシーのほうが結局安い気がするよね
とはいえ、一利用者として、タクシー料金が安くて困ることはありません。
そこで、事前に予定が分かっていて、ある程度以上の距離であれば、予約によりタクシー料金が安くなる「かもしれない」という件をご紹介します。
予約すればタクシー代1割引?
ここで紹介するのは「らくらくタクシー」というサービスです。
このサービスは「タクシーでの移動」を一種の「旅行商品」と捉え、お客が「A地点からB地点まで、何月何日の何時に行きたい」と要望すると、運営会社がそれに応えて契約先のタクシーを手配し、「旅行商品」として提供してくれるというものです。
東京駅からスカイツリーまでとか、メジャーな場所じゃなくてもいいの?
そう。自宅から病院まで、という「旅行商品」を組んでくれる。ただし3000円とか5000円とか、一定以上の料金にならないとダメ
仕組みはともかく、注目すべきは料金です。
ウェブ上でスタートとゴールを入力すると、「秘密の方法」で 2地点間の「通常のタクシー料金(概算)」を算出し、そこからおよそ10~15%ほど(推定)割引してくれます。
これが「らくらくタクシー」の料金です。
通常の1割引ならいいじゃん。毎回これにしようよ
使用上の注意をよく読んでお使い下さい
「10~15%引き」と書きましたが、実は「1割引以上に安くなる要素」がある一方で、「必ずしも安くない場合」があります。
以下に、メリット、デメリットとしてまとめてみました。
らくらくタクシーのメリット
メリット1:定額料金なので渋滞しても同額
まず、メリットとしては定額料金制であることが挙げられます。
一般的なタクシーの料金は「距離時間併用制」といい、距離だけでなく時間によっても料金が上がります。
具体的には、時速10km以下で走行すると「時速10kmで走った」とみなして料金をカウントします。
渋滞にハマると、車がたいして動いていないのにメーターが上がり続けるのはこのためです。
一方、「らくらくタクシー」は定額制で、出発地と到着地を決めると、その時点で料金が決まります。
つまり乗る前に料金が確定するのです。
だから実際に乗ってみて渋滞しようが、運転手が道を間違えて迂回しようが、料金は上がりません。
通常価格の1割引と言いながら、実質的には2割、3割と安くなる事例もあるでしょう。
朝早くにタクシーで通院すると、大体渋滞するよね
なお、最近ではタクシーアプリを利用することで、事前に運賃が確定するというサービスもあります。
ただしこの「事前確定運賃」は、国土交通省の意向により「平均的に通常運賃より高くならないこと」を目標として設定されているため、安心感があるというだけで、安くなることは滅多にないというのが私たちの見立てです。詳しくは以下の記事でご確認ください。
メリット2:迎車料金、予約料金込み
そしてもう1点、迎車料金と予約料金が込みであることを挙げましょう。
東京23区でタクシーを予約すると、迎車料金(300円~420円)に加え予約料金(420円が一般的か?)が加算されます。
つまり、流しのタクシーをつかまえるより高くつくわけです。
そこへいくと「らくらくタクシー」は予約・配車が前提のサービスですから、料金の中に予約代・迎車代も入っています。
元々流しのタクシーをつかまえるつもりならともかく、「前々から分かっている用事なのでタクシーを予約しようと思っていた」という人にとっては、迎車料金や予約料金の分も値引きになると考えられます。
らくらくタクシーのデメリット
デメリット1:料金算定方法が不透明
まず1点目は、遠回りのルートで料金を算定される場合があるということです。
らくらくタクシーは料金計算に人手を介しておらず、利用者が発着地を指定すると「秘密の方法」で 料金を算出する、と書きました。
この「秘密の方法」というのは、カーナビ等で一般的な「経路探索機能」だと思われます。
カーナビを使ったことのある人なら分かると思いますが、経路探索システムは時に変なルートを提示してきます。
「地元の人なら絶対こっちを通るでしょ」「この道を通ったほうが絶対近道でしょ」と突っ込みたくなるような結果がしばしば出てくるのです。
しかし、らくらくタクシーは人手を介さないので、経路探索で出てきたルートの妥当性は誰もチェックしません。利用者にも「どの道を通って料金を算出したのか」は公開されません。
ただ「A地点からB地点までは何kmなので何円です」という結果が示されるだけです。
実験結果
そこで試しに料金を数通り計算してみると、明らかに遠回りをしているな、と思う例が見つかりました(以下、2017年の実験結果のため、現在は改善されている可能性があります)。
たとえば「戸塚駅→吉祥寺駅」で試算してみると、らくらくタクシーでは「移動距離47.244km 定額料金12810~14110円 距離47.242km」と出てきます(複数の会社を選ぶことができ、会社によって料金が違うようです)。
一方、Googleマップで同様のことをやってみると、第三京浜、環八経由で42.0kmと出てきます。誤差というにはちょっと大きすぎます。42.0kmに対する通常のタクシー料金は(横浜市の料金体系で)12650円となります。
らくらくタクシーより安くなった!
まあ、実際には信号待ちや渋滞もあるから、普通のタクシーでは13000円は超えると思うけどね。らくらくタクシーが14110円だったら利用価値はあまりないかと
デメリット2:道を選べない
もう1点、らくらくタクシーでは利用者はルートを指定できず、基本は有料道路経由であるということに注意しましょう。
有料道路の料金は利用者の負担になるので、表示された金額だけで済むと思っていたら、実際にはだいぶ高くついた、ということもあり得ます。
私たちの例でいうと、約20km先の病院へ行くのに高速を使うことはまずありません。
遠回りになり、10分程度しか早く着かないからです。
しかしらくらくタクシーの場合、ルートを選ぶ権利は運転手にあります。
タクシー会社が有料道路の料金を負担する必要もないので、走りやすくて早く着く高速道路をバンバン使ってくるはずです。
高速料金抜きで比較するとらくらくタクシーのほうが安くても、高速料金が加われば逆転する可能性があります。
デメリット3:そもそも利用できない場合がある
3点目ですが、らくらくタクシーは出発地近辺の提携タクシー会社を利用するため、そもそも提携タクシー会社のない地域からは乗れません。
また、いつまでに予約しなければならないか、何円以上なら利用可能か、という制限があり、かつ地域によってまちまちです。
たとえば新宿区発だと、利用の1時間前までに予約し、料金が4000円以上であれば利用可能のようですが、私たちの自宅近辺だと24時間前の予約が必須で、料金も4700円以上でないとダメということになっています(2017年現在)。
大学病院までは4700円超えるから大丈夫だね!
遠いからね。素直に喜べない
デメリット4:キャンセル料がかかる
最後に4点目、キャンセル料にも注意しましょう。
具体的な金額は各タクシー会社が定めているそうで、予約確定の直前までいかないと表示されないのが不親切ですが、意外と高額な場合があります。
そして個人的デメリット
ここまで紹介しておいて何ですが、実は、私たちは通院時に「らくらくタクシー」の利用をやめました。
というのは、ドライバーの質がイマイチだったからです。
らくらくタクシーでは、複数のタクシー会社の中から利用する会社を選べる場合もあるのですが、私たちの地域では1社しか対応していません。
会社自体がダメなのか、やってくるドライバーがたまたまダメなのかよく分かりませんが、毎回運転がイマイチなので、ツマーが音を上げました。
通院ですから曜日と時間帯が大体同じで、ドライバーが大体3人ほどに固定されてしまう、というのも悪材料ではありました。
今は、高いのを承知で、「GO」アプリから普通に迎車しています。
もちろんこれは個人の感想であり、素晴らしいドライバーが来る可能性も大いにあります。
「たまたま」私たちとドライバーの相性が悪かった、ということですし、オットー一人の乗車であれば十分に許容範囲内でした。
2021年2月現在、検索しても該当する記事を見つけられないのですが、以前「らくらくタクシー」の取材記事を読んだところ、「タクシー会社の取り分は通常運賃より少なくなるが、事前に収入が確定するため、通常営業で収入が平均以下のドライバーにはメリットがある」といった内容が書いてあったと記憶しています。
裏を返せば、自分で平均以上に稼げるドライバーは「らくらくタクシー」の仕事を極力請けないと考えられるわけです。
まとめ
以上のとおり、らくらくタクシーは実際に「どこからどこまで乗るか」が決まらないと安いとは言い切れないのですが、前もってタクシー利用の予定があるなら検討の価値はあります。
ちょっと遠くまでタクシーに乗る予定がある方、頭の片隅に入れておいてみてはいかがでしょうか。
利用体験記を以下の記事にまとめてありますので、参考にご覧ください。
なお、らくらくタクシーが利用できない、また相対的にお得でない場合、タクシーアプリで通常のタクシーを呼んでみませんか。
以下の記事におすすめアプリをまとめてあります。
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